The_best_CA_Gibraltar

ジブラルタルは、234 mm 砲を四連装砲塔として搭載した重巡洋艦です。かの有名なバーバリーエイプの生息地でもあります。

【巡洋艦論評】T8イギリス巡洋艦-Nottingham

  • はじめに

    ここに書いてあることはあくまで私個人の主観でしかありません。そこをご承知の上でご参考にしてくださいませ。守れない人はそのクソデカバイタルに3連装砲ぶつけますよ。

  • Nottinghamについて
    皆さんお久しぶりです。船の解説は7カ月ぶりだそうです。
    皆さんはNottinghamってご存じですか?ひっそり実装されたT8のイギリスの巡洋艦なんですけど。見た目はミニネルソンなかわいい船です。赤ちゃんネルソンです。ですがまあ誰も乗らな過ぎて、おそらくは戦闘で見たことない人が大半でしょう。そんなはぐれメタル的存在であるNottinghamにそれなりの戦闘数搭乗してきたので、比較を交えながら解説していきたいと思います。
    ちなみにNottinghamですが、入手方法がランダムバンドルで手に入るNottinghamトークンを使って入手という方法で、T9プレミアム艦艇を当時買うことができるくらいの値段での入手でした。ダブロンの値上げもあって、仮にプレミアムショップに並んでも今までのT8より割高なので持っている人はWG愛好家ブルジョワかもしれません。

    • 攻撃面について
      NottinghamはT8巡洋艦としては控えめな攻撃性能に仕立てられています。
      203mm3連装砲3基と決してT8としては変ではない武装なのですが…その理由を少しずつ紐解いていきましょう。

      まず同国籍で同じTierのAlbemarleと比較をするべきでしょう。搭載している主砲は同口径かつ同門数で装填時間も13sで同じとかなり近い性能をしています。その為、弾速弾道などは完全に一致するのですが、砲弾のダメージが差別化されています。
      その差はHE弾の性能であり、Nottinghamの砲弾がAlbemarle比でダメージおよび発火率で劣る形になっています。なんで
      ダメージは約15%(3300→2850)も下げられており発火率は2%(17%→15%)下げられております。なんで

      そもそも英重巡は遅めの装填時間を日重巡と並ぶHE火力で補っていたツリーであるため、この差は同格の重巡よりHE火力で劣るという差になってしまっています。なんで

      実際HEDPMで考えるのであれば、Nottinghamより低い同格203mm持ちがTone, Admiral Hipper, Prinz Eugen, Haarlem, Numanciaの5隻しかいません。
      さて、この5隻は何かしら航空機なり貫通力なりAPダメージなり修理班なり空襲なり3連バーストなりとその火力の低さに見合う別の火力における価値を持っています。(少なくともこの中で火力が低くて悩むのはPrinz Eugenくらいかとおもいます)
      そんな中Nottinghamの火力は主砲にほぼ限られ、シンプルな打ち合いが発生するとかなり苦戦を強いられる火力となっています。
      APに関してはAlbemarleと同一となっています。つまり同格の中でもかなり控えめのダメージで装填も長めであるためDPMは低めです。なんで

      ここまでダメージについて話してきましたが、主砲射程はAlbemarleと同じ15.7kmでそこまで悲惨ではなく、主砲射角も気持ち悪い配置の割には前後ともに30度と良好な値となっています。ちなみに2番砲塔は全周です。

      さて、ここまで攻撃面の性能をずらずらと書いてきましたが、最初に述べたように控えめな性能になっています。
      そこを消耗品でカバーしていくというのがNottinghamの魅力と相成るわけですね。

    • 防御面について
      艦首艦尾は高Tier巡洋艦標準の25mm、側面が27mm甲板が30mm若干ですが同格の中では優れた表面装甲を誇っています。誇らしいですね。
      しかも特徴的な主砲配置のおかげか艦首艦尾が大変コンパクトになっています。なのですぐに区画耐久が枯れます。

      さて、優秀な点はこれで終わりです。
      まず特筆すべきは圧倒的に大きいバイタル形状でしょう。皆さんAlbemarleとかのバイタルは戦艦で抜きやすいという印象を持っているでしょうか。それをはるかに上回る全身バイタルっぷりを発揮しているのが、そうNottinghamですね。
      百聞は一見に如かず。以下にNottinghamのバイタルのみを表示した画像を添付します。


      なんでしょう。とても…大きいです…。
      当たり前ですが、煙突下部はむき出しです。

      しかしこうも思った方もいるかもしれません。
      「Albemarleの方が全体が全幅バイタルで脆い!」と。
      それもまた事実かもしれません。しかしこの船は段が高くなっている箇所がかなり後ろよりである点と、謎の傾斜がついているバイタル敵の砲弾を優しくキャッチするそのおむつのようなバイタルが問題点となります。
      後方に寄るということは引きうちの時にもれなく縦から戦艦砲が届く確率がほぼ100%といっても過言ではありません。では前が安全かと言われるとそうでもないのがこのお船。このバイタル形状にお祈りというものは存在しません。バイタルが必然な船になります。
      そして先ほどあたかもメリットかのようにいった艦首艦尾のコンパクトさはバイタルの長さに影響してしまい、驚異の長さとなってしまいました。

      主砲も25mmに囲われた装甲なんてないよスタイルを貫いています。そして驚異の主砲耐久の低さから、かなりの高頻度で主砲が中破します。空母のロケットに壊され駆逐艦のAPに壊されT6巡洋艦にも壊され。そんな主砲です。でも赤ちゃんなので少しの中破は目を瞑ってあげましょう。

      そして、追い打ちをかけるように35300というとても低いヘルスがこの船を襲います。生まれたての赤ちゃんに耐久なんてないよね
      もちろんこれより低い同格はいくらか存在しますが、問題はこの図体でこのヘルスであるということです。Nottinghamよりヘルスが低い船は軒並み小さい船体やコンパクトなバイタル、修理班や驚異的な攻撃性能などそれを補うものがあります。いや、Nottinghamにもそれを補うものは一応あるのですが…

      隠蔽は9.5kmとT8で考えるとやや優れている部類でしょうか。しかし先述の防御性能を加味すると見つかったら死ぬレベルなので慎重な操艦が必要です。

      とまあ防御面は攻撃性能以上に壊滅的であるということが伝わったと思います。本当に壊滅的です。(80戦以上乗った感想がこれ)

    • その他
      さてここまでボロボロに書かれてしまったNottinghamという船ですが、ここからは比較的良いことが続きます。
      まず消耗品は水中聴音と対空防御放火の択一スロットという名の一択スロットと超絶アイデンティティショートバースト煙幕となります。ショートバースト煙幕の個数はデフォルトで5個となっています。
      消耗品の数こそ少ないですが、このショートバースト煙幕を巡洋艦が有しているというのが大きいアイデンティティとなります。現状入手可能な船で他にショートバースト煙幕を保有しているのがDidoとBelfast'43の2隻となります。DidoはTierが大きく異なるため、比較する対象にするには少々難がありますし、Belfast'43は軽巡であるため火力の有効性や役割対象が少し異なります。

      そういった意味でもオンリーワンな性能を有している船に仕上がっています。大事になってくるのは通常の煙幕持ちとの差別化になってきますね。

      対空兵装に関してですが、そんなものはありません。
      T6だとしてもかなり低い対空値です。駆逐よりひどいものです。
      その中身は「長距離」対空射程4km、爆発1発、継続ダメージ39
      まだ中距離と短距離が残っていますね。
      中距離対空射程2.5km。ここで皆さんが大好きな日本巡洋艦の短距離対空射程が2.5kmであることを思い出してください。機能しないということですね。せめて値だけでも、と思いますが継続130とかなり微妙です。
      もしかしたら短距離が中距離より射程が長いかも…という幻想は射程1.5kmで打ち砕かれます。
      さてひどい話ですが、追い打ちがさらに。爆発の出る範囲は3.5-4.0kmの間だけです。つまり頼みの綱ですらほとんど機能しません。
      ちなみに航空隠蔽は最良6.2km。なぜか同格の中でも悪めです。
      これの意味するところは戦闘機なんて全く落ちないし、Saipanの雷撃機が1機も落ちずにフルで往復されるような対空しかないということですね。雷撃機は基本落ちないものと思うべきです。しかもかなり遠くから発見される。そんなに3本煙突が目立っているのでしょうか。
      気持ちは常にT5くらいの対空で戦っている感じです。もちろんT10空母とマッチングします。なんで

      そしてSuper Extreme Subarashii魚雷を携えています。片舷8射線という魚雷の本数は圧巻です。射程は8kmです。つまりあまり使い道はありません。ですが、ショートバーストのおかげで全くないわけではないのでそれはまた口述ということで。

      副砲は単装4基が両舷に。おまけですね。

      ショートバースト以外残念な形になってしまいましたが、このショートバーストですべてを覆せるでしょうか。

  • ビルド・乗り方
    さてまずこの船ですが、ショートバーストをうまく活用しないと本当にただの的です。そんなショートバーストですが、使い方が「局所的な火力」「一時的な視界切り」がメインになってくるかと思います。

    しかし「不意な遭遇に対してショートバーストを使う」は全く意味がありません。たしかに自身は一時的に生き残れるかもしれませんが、ただ生き残れただけになってしまいます。ほかの巡洋艦なら死んでた!にはならないわけですね。ハナから遭遇する距離に行かなくてもいいので。

    ではどう言ったシーンで有効になるのか。ほかの巡洋艦だとリスクが高すぎる進路を低いリソースでとることができるのがこのNottinghamのオンリーワンな点になります。通常の煙幕持ち巡洋艦だと煙幕を1個消費するのが重い消費になってしまうんですね。そして重巡であるため、巡洋艦に対しての瞬間火力は十二分にあります。つまり本来であればリスクが高すぎる進路を進み、敵の巡洋艦の横を取ることができる、という点がNottinghamの一番の魅力でしょう。

    また、自分の任意のタイミングで視界を切れるということは敵駆逐に圧力を掛けるだけ掛けて、勝手に隠れるといった芸当も可能です。腐っても巡洋艦なので駆逐艦が1on1で勝てる道理はありません。

    さらに、CAP内への居座り性能の高さもショートバーストで実現しています。本来巡洋艦がCAP内に留まるのはかなり危険な行為ですが、居座る価値があるのであれば低リスクで居座ることができるのがNottinghamの個性といえるでしょう。

    その上で煙幕を使用して、敵に対して「煙幕に対して詰めるか」「引くか」の選択肢を押し付けられる点も魅力です。もちろん煙幕を背に逃げることも可能ですし、あえて居座って近づく敵に対して魚雷をお見舞いすることも可能です。その際に8本という本数は非常に強力な武器になります。イギリスなので単射もできます。
    相手は押さないと勝てないというシーンでダメ押しとしては十分すぎる性能を持っていますね。

    しかしこれらの進路取りは繊細な射線管理と敵の位置の把握があって初めて成り立つものになります。その為、防御性能の低さも相まって操艦難易度はかなり高い部類になると考えています。

    そんなNottinghamで試したビルドを何例かご紹介します。

    まずUGですがすべてのビルドにおいて私は共通の以下の構成にいたしました。ソナー改良のみ別に他の物でも構いませんが、私は敵駆逐艦を5km圏内に捉えることが多かったためソナー改良を付けていました。

     

    【ビルド1】
    まずは私が最終的に採用したビルドから紹介します。

    おそらく見慣れないスキルは重徹甲弾くらいかと思います。必須スキルは敵弾接近・最後の抵抗・抗堪専門家・隠蔽くらいでしょうか。
    先ほどの理論でいくならこのビルドは巡洋艦に重きを置いています。基本的に味方から孤立する形にはなりますが、敵の巡洋艦に対してかなり強烈なクロスを形成して、APを敵巡洋艦に刺すといった形になります。
    基本的に同格巡洋艦は修理班を持っていないケースが大半なので、削った分だけ有利に傾きます。強烈なクロスを組める場所というものは強烈なクロスを組まれる場所であることが多いですが、そのデメリットをショートバーストでチャラにする感覚でしょうか。
    そのショートバースト1回で削る量を少しでも多くするための徹甲弾と把握していただければ幸いです。

    2ptスキルに関してですが、爆発物専門家消耗品強化危険察知の選択でよいと思います。
    消耗品強化を私が優先したのは先述のソナー時間が欲しいシーンが多いという点と煙幕の展開時間が伸びることで展開回数が多くなるというメリットを重視した結果です。

    【ビルド2】

    おそらく多くの人に馴染むビルドであると思います。
    無線探知で敵駆逐の進路をおおよそ把握し、自身の安全な前進につなげます
    AP火力がトレードオフですが、対駆逐戦闘においては有利に働くため一長一短です。
    しかし装填手が取れないため、弾種の切り替えは難しいところになります。一応管理を外して装填手と2ptに分解するのも手ですが、その場合は煙幕の個数に悩まされることになります。その為ARを切るのも一つの手ではあります。

    【ビルド3】

    まだ戦闘の流れの方針を固めていなかったときに試したビルドになります。
    外周巡洋艦としてかなり外まで行っても煙幕のおかげでリスクをカットできるという点が他の巡洋艦にはないメリットであったと思います。
    その為数的劣勢が発動するような距離まで詰めてもある程度問題がなく、火力を吐くことができます。しかし煙幕を使うと視界が切れてしまって発動しなくなる、といったケースも多々あったため、相性はそこそこといったところです。しかし射程が長くないので発動機会は多かったです。
    Nottinghamでもダメージを出したいという方はシンプルな外周巡洋艦として運用するのが丸いと思いますが、そういった方にはお勧めできるビルドになっています。消耗品強化は爆発物専門家にした方がよりダメージは伸びると思います。

    この船の敵は戦艦の射線と空母艦載機です。空母艦載機は間接的な死因になりますし、戦艦の射線はこめかみに銃口を突き付けられているようなものです。とにかくこの2点はケアを怠らないようにしましょう。

  • 最後に
    低い基本性能をショートバースト煙幕ですべて補っている船、それがNottinghamだと思います。通常煙幕と異なり、気軽に使えてかなり独特な進路取りができるさまは本当にオンリーワンだと思います。皆さんもたくさん乗って私の最高撃墜数を更新してほしい、そんな船です。
    Belfast'43にはなかった有効な火力を得たショートバーストの力を見せつけてやりましょう。煙幕が保護者の赤ちゃんなのでは
    まあまず現在入手手段が存在しないレアシップなんですけどね。

    (情報は12.7.0.0現在の物を使っております。大きな変更がありましたら適宜変更を加える予定です)

Tashkent'39について

  • What is Tashkent’39?
    Tashkent'39 is the most popular Tier7 DD. She has very great torp and Maximum speed. But she also has so bad surface defectrability range. 
    このタシュケント39という船ですが、現在武器庫で166,000石炭で入手することができます。T7としてみると割高に感じますね。フリーだと1245000だそうです。その経験値があるなら確実にリセットに回したほうが賢明だと思います。

    ではこの船のリダボを見てみましょう。


    一人だけ戦闘数が高いですね。気持ち悪いです。傾向としては出てる数字が両極端で平均的な人がいないのが気になるところですね。それだけ扱いにくい船なのでしょうか。魚雷が本体で速力で頑張ってほかの諸元の悪さ補ってね、というのがコンセプトなのでしょうか。雷駆って基本的に日駆のように魚雷当てる以外の仕事がしやすいか、欧駆のように魚雷流す仕事に特化してるかしていないと安定感が欠けるイメージがあるのですがこの船はその二つを持っていなくて10kmという射程に対して隠ぺいがかなり悪い印象を受けます。乗りたくないですね。
    どうやって安定して戦果を出しているのでしょうか。次回、実際に使用されている方に聞いてみたいと思います。素直にそのリソース頑張ってジブラルタルに変換したらいいと思います。

    それではアデュー。43日遅れのエイプリルフールでした。次回はありません。

【閑談】押しについて

さて、ちょっとなかなかに時間を持て余す日が続いていますのでちょっとした小話でもしようかな、って思った次第ですね。パソコンを両手で使えない環境なのでスマートフォンで殴り書きしたものなので画像などもなく、読みやすさなんて知りません。お暇つぶしの時の読み物にでもどうぞ。元々読みづらいか🤔

 

皆さんがWorld of Warshipsでランダムなりランクなりを遊ぶという時にどのくらい勝ち筋という物を意識しているのかな、って時折思う時があるんですね。

 

例えばよく見かけるのが「ずっと耐えてたのに反対側が頑張ってくれなかった!」という意見だとか、「空母にずっと狙われて何も出来ないのに他の奴らは何してたんだ…」とか。

まあ概ね的外れ…ということは少ないでしょう。ですがこういう意見を言う人の多くは自身から崩すと言う経験をあまり多くしてないな、と思うことが多いんですね。

私ももちろんその時その時で対応なんか違いますし、完全なパターン化なんて出来ていません。むしろマニュアルなどが苦手なので他の人より「その船での戦い方」を理解するのに時間がかかってしまうんでしょうね。

私のスタイルを確立してくれているのは紛れもなく過去の自分の失敗の数々ですね。成功体験ももちろん少なくない数こなしてきましたが、それってあくまで「その時にした判断が正解だった」に過ぎないのでその正解を繰り返すのではなく、自身の判断力を磨く方がより良いと考えています。もちろん成功した時は嬉しいですけどね。

 

さて少し話が脱線しました。引きで行くか押した方が良いか。もしくは押す必要もないから停滞が良いのか。

その判断ってやっぱり難しいものだと思うんです。でもここが一番大元の判断に繋がるのでここを磨くことがチームを引っ張ると言うことにおいて重要になると思うんですね。

 

さてそんな中で、皆さんが見ているのは隻数でしょうか。ヘルス差でしょうか。一般的な所だとこの辺が多いでしょう。

高次元的な部分になると「味方にとって誰が辛いか」とか「相手にとってやられたら困る行動は何か」といった戦局的に細かい部分が重要になってくるので結局はその船が何をされたら困るのか実際に乗って知るのが一番だと思います。

 

さて、引いたり停滞したりも細かいスキルが必要ではありますが専門外なので置いておいて、押す際に意識していることを少しだけお話ししましょうかね。 

 

pushする時に大事になってくる物ってやはりそう持っていける状況づくりでしょう。もちろん島を使うも良いですが、相手の1隻を意図的に引かせたり、機能停止する位置に釘付けにする。そういった相手の操作はまずとても大事です。

では操作できる相手とは。「自身が有利のつく相手」なんですね。そいつらを特定の行動をさせる。その有利は艦種的なものなのか距離的なものなのかは場合によりますがこれが先決です。

 

そして自分が乗っている船が押しが得意不得意に関わらず押さなければいけないと言うシーンに陥った時に「自分から見て誰が一番相手しづらいか」という点は最重要でしょう。つまる所「自身が不利のつく相手」です。まず有利のつく相手を特定の行動に縛りつけたからこそ「動ける余裕」ができるんですね。

 

例えばヒンデンブルクに乗っている時にシュリーフェン相手にpushしろと言われても無理な物でしょう。

でもpushしないと勝てない。そう言った時は基本ですが、射線を切る動きをするのが普通だと思います。ですが相手も人間です。射線を切られたら射線を通そうとするでしょう。その動きをしてくれた時に自信が有利を取れるように予め動いておくスピード感がpushの時には大事だと考えています。短絡的に今から辛いな、で動いてしまうと局所的な有利しか生めないので。

 

先ほどの例だとシュリーフェンが自身に射線を通そうとしたら「近づかないといけない」「腹を見せないといけない」というのがヒンデンブルク側に残された勝ち筋です。

前者はシンプルで、ヒンデンブルクの方が近距離においては取り回しの良い魚雷を持っています。なので最低でも相打ちに持っていけるでしょう。

後者はある程度近距離であればAPで削る速度が勝てる距離ですね。

ではその前者を対策して引いた場合はpushの目的が果たされたのでこちらが戦線単位での有利は確保出来ているんですね。

では腹を見せないようにしていた場合は「近づく」or「遠ざかる」の選択を取っている上、どちらにせよ倒すか目的達成をしているので良いわけです。

 

でも多くの人はヒンデンブルクで中遠距離でHEを撃ちたがるでしょう。この方がよっぽどダメージも出ますし、自身のヘルスも温存できます。しかしシュリーフェンのpushは止まりません。ヒンデンも引くしかない。そうなるとダメージは出たのに「勝てない状況」が出来てしまうんですね。しかもシュリーフェンは隠蔽がなまじ良いので、見えないけど引くしかない、という状況が生まれかねません。

 

この状況をつくられたら負ける、それを阻止するのが誰か、って話です。自分がやらなければいけないのなら、いつでも自分を使うべきです。それで負ける状況が阻止できるのなら本当に安い物です。

 

もちろん引いた方がいい状況や停滞した方がいい状況においては、ダメージを出したものが正義です。ですが是非、一度「この状況を崩さないといけない」といったシーンになった時に自身を要に状況を変えてみては如何でしょうか。得られる物は沢山あります。

 

何かプレイの足しになれば幸いです。

【巡洋艦論評】T9ドイツ巡洋艦-Siegfried

  • はじめに

    ここに書いてあることはあくまで私個人の主観でしかありません。そこをご承知の上でご参考にしてくださいませ。守れない人には大口径APをお見舞いします。あ、自分がされる側ですね。待ってます

  • Siegfriedについて
    先日T9巡洋艦1vs1闘争があったんですよ。そこに"I am cockroach"と言わんばかりに湧いて出てくるAgir。やっていた人は記憶に新しいかもしれません。そんなAgirと似た船体を持つSiegfriedについてぼちぼち研究リセットボーナス来ますし纏めていかにGibraltarが研究局艦で優れているかを証明したいと思います。
    ちなみにこのSiegfried、T9であるため47000研究リソースという少しリーズナブルな価格で手に入ります。他のT9研究局艦はPaolo EmilioとHectorの2隻なので研究局艦ほしいけど6万は高い…という気持ちになった時の選択肢になるかもしれませんね。乗ってみたい船に乗るのが一番です。
    そんなSiegfriedですが研究艦の例に漏れず個性の塊のような性能をしているのでそこを辿っていけたらと思います。

    • 攻撃面について
      まず前置きとしてこの船はマッチングにおいて巡洋艦の枠を使います。それでありながらBismarckに搭載されている主砲である380mm/52 SK C/34を搭載しています。戦艦が大型巡洋艦相当の口径の砲を積む、という例は何個もありますが、巡洋艦が戦艦相当の口径の砲を積むというのはSiegfriedとSevastopolの2例しかありません。どちらも研究艦
      その時点で既にアイデンティティの塊なのですが、詳しく掘り下げていきましょう。

      先述の通りBismarckと弾速や貫通力が完全に一緒の砲を3基6門搭載しています。特に跳弾優遇や早発などもないごく一般的なAPに仕上がっています。その為巡洋艦でありながら「強制貫通」で分からせることが出来ます。
      具体的には26mmまで強制貫通できますが、この値は米独重巡を除いた巡洋艦すべての艦首艦尾とT7以下の戦艦の艦首艦尾などに採用されている値です。
      しかしその代償として6門に26sという装填時間が課せられています。そのせいもあってAPのDPMは同格最下位素のBrestやDrakeよりも低いという低さになっています。いかに有効打を与えるかが重要ですね。
      しかし多くの大型巡洋艦に付きまとってくる精度という問題。これをこの船は解決している点が特筆点でしょう。一般的な大型巡洋艦はシュペー散布と呼ばれる戦艦と巡洋艦の中間のような散布を採用されていることが大半なのですが、このSiegfriedは門数の少なさを補うかのように巡洋艦散布」を採用しています
      じゃあ実際どのくらい変わるのよ?気になると思います。
      例えば16km地点でのUG込み水平散布は
      ・Bismarck 205m
      ・Agir 170m
      ・Siegfrid 133m
      とかなり戦艦に比べて小さい散布界で撃つことが出来ます。
      ちなみに戦艦の中でもとりわけ優れた遠距離精度を持つSlavaや敷島でも172mです。いかに小さいかが伝わると思います。
      戦艦砲を巡洋艦散布かつσ2.05で投げることが出来る、そこにこの船の全ての魅力が詰まっているといっても過言ではありません。

      もちろん戦艦のAPを使える時点で斉射火力などにまったく不満はないのですが、その装填速度とHEのダメージの低さからHEDPMは古鷹以下という値でダントツのマッチ帯ワーストです。という事で巡洋艦とは名ばかりで対駆逐の圧力はものすごく低いです。「戦艦砲だから一発は強いんでしょ?」という幻想すら打ち砕かれます。斉射火力は利根と同等。そういう事です。

      射程は素で20.6km、まったくもって不満の無い値になっています。先述の持ち前の継続火力を補うという意味でも装填UGが欲しいところではありますね。砲旋回も装填UG込みで全力転舵に間に合いますし特に不満はないと思います。射角は前方34度、後方36度と常識的な範囲ですね。

      総評としては一般的な大型巡洋艦をよりピーキーに仕上げたといったところでしょう。

    • 防御面について
      ドイツ譲りの艦首艦尾27mmを完備しています。艦尾だけに
      甲板30mm大型巡洋艦としてみれば一般的ですが同格巡洋艦比では優秀な値です。ですがそれ以上に側面90mmが特徴的でしょう。側面装甲全てが90mmに覆われており、反跳爆撃機に対する耐性・側面を利用した跳弾において非常に使いやすい装甲をしています。近距離におけるHEを無効化できる面積が広くなるのもありがたい要素かもしれません。
      しかしいいことだらけではありません。側面に入ろうものなら戦艦のAPが過貫通を絶対しません大型巡洋艦の中でも特に貫通弾をもらいやすい存在であることは間違いありません。(跳弾できなければ)
      そして艦首艦尾が大きい故か、それぞれの区画耐久が多めに割り振られています。なので艦首が痛い痛いしやすいです。頭を向けにくい要素の一つにもなりますが、砲配置や射角的にもあまり引き撃ちをしたくないというのもまた事実ですね。
      バイタル配置自体は独巡よろしく多重装甲、そんなに柔らかくもないですし、過信もできない。その程度だと思います。ですがT9屈指の62950のヘルスがあるのでその辺のT9巡洋艦よりは耐えると思います。
      総合的に言うのであれば良くも悪くも被弾面積相応の普通の防御といえるでしょう。決して柔らかいなどはありませんし、27mmのおかげで380mm相手にはある程度強気に出れるのも事実です。
      火災時間が他の大型巡洋艦同様60sなのでそこだけ気を付けたいですね。

      隠蔽は最良11.9kmとBrestやAgir、吾妻と並んで大口径主砲を持つ巡洋艦トップクラスの物を有しています。Topは格上のSevastopolですね。(あいつおかしい)
      舵は14sと鈍重も鈍重。曲がり方は素直ですが大きいので回避は難しい部類です。

      良さげの隠蔽に高いDPSでチャンスを確実にするのが大事な船に思いますね。

    • その他
      まず消耗品は水中聴音と対空防御放火の択一スロットAgirにはない戦闘機と観測機の択一スロ、そして通常の修理班となります。修理班の回数は素で3回なのでドイツ巡洋艦の回数優遇はありません。それぞれの択一スロットは結構人によってばらけるところなのがいい調整ですね。

      対空兵装に関してですがドイツでありながら6km対空を保持しています。その射程をツリー巡洋艦にください
      ですがバブルは5個、継続ダメージも雀の涙のような値なので射程が長いだけにとどまりますね。航空隠蔽は最良でも8.7kmと長いので基本的に空母側にかなり選択権を与えてしまう形になります。舵も鈍重で大きいので空母に絡まれると割とつらい思いをします。
      ですが、中距離対空もドイツらしからぬ4kmもあり、こちらは往復をだいぶ渋らせる程度には数字が優秀なので爆撃などは往復されにくい傾向にあります。まあもとより足がある方ではないのであまり孤立しないが吉です。
      後述する消耗品の影響もあって対空防御放火を切るという選択肢も全然あるのでやはり孤立は禁物です。

      あとは副兵装として魚雷を携えています。ですがドイツ巡洋艦おなじみのT5から何も変わっていない魚雷になります。威力も不満が残るものなので最終手段ととらえた方がいいです。基本的にこの船は接近戦をするメリットが薄いので。ちなみにAgirと違って船体に格納されています。気持ち壊れにくさを感じるかもしれません。どうせHEの爆風で壊れるって?おっしゃる通りです

      ちなみにかつて副砲型巡洋艦として調整されていた名残なのか副砲射程が8.3kmもあります。伸ばしきると10kmにも及びます。対駆逐のお守りくらいにはなることはありますが特化する価値があるかと言われるとちょっとないです。伸ばすという事は主砲の精度を捨てて強みを一つ手放しにするようなものです。特に精度の優遇などもありません。というより艦長スキル刷新の影響で巡洋艦の艦長スキルで伸ばせるのが副砲の装填時間だけなので使いにくいの一言です。それやりたいならAdmiral Schroderをお勧めします。あちらは精度優遇に射程=隠蔽ができるので活用しやすいです。

  • ビルド・乗り方
    まず大前提この船は持ち前の火力のほとんどをAPに集中させているのでとにかくAPを刺せる位置取りが重要です。相手の戦艦や巡洋艦目線でいられると面倒なところを取るのが他の巡洋艦より大事になります。逆に駆逐に対する圧力は最低レベルなので駆逐にとって嫌な動きをしても有効になる機会は少ないです。ここははっきり割り切らなければいけないところだと思います。それを踏まえてビルドを見ていければと思います。

    【ビルド1】
    まずは無難な遠距離シフトビルドから行きましょう。

    一番戦いやすいビルドだと思います。
    基本遠距離砲戦を想定したビルドです。射程は素で十分すぎるほどあるので18km程度で砲戦を行っていればまったく不満はないと思います。基本役割対象は巡洋艦及び戦艦味方戦艦とクロスを組みに行くのを優先すればおのずと火力優勢を作れるはずです。消耗品は基本は対空防御放火でいいでしょう。航空機のスロットは気持ち遠距離を打ちたいシーンがたまにあるので観測機を個人的には推奨します。
    このビルドは序盤の優勢を作れないと結構ジリ貧になってしまうので最初の10分が大事なビルドかなと思います。主砲がBismarck砲というのもあって戦艦砲で結構壊れるので応急工作班改良はやめとくが吉です。2秒の伸びるメリットは全く感じませんでした。
    遠距離主体であれば隠蔽が欲しいシーンよりも舵で確実な回避につなげた方が貢献度が高い傾向にあります。

    スキルに関しては特に特筆するものを取っていませんが重徹甲はほぼ取り得です。ARの方が火力上昇幅は大きいので基本こっちを先に取ることにはなりますが、重徹甲と合わせ技をすれば敵なしです。

    【ビルド2】

    中盤以降のPushに重きを置いたビルドです。基本的にヘルスは使い切る前提です。管理は抗堪でもOKです。またUG2を水中聴音改良、UG5を隠蔽UGにしてもいいと思います。その場合は慎重に序盤は動けばいいだけですね。序盤は基本中遠距離であまりヘルスを使わない運用で問題ありませんが、最上級砲手を付けることで中盤以降の崩しの性能に重きを置いています島裏巡洋艦などに粘られるシーンを消すのが目的ですね。なのでPushと言いつつ自分が先陣を切ってヘルスを使い切ることをある程度想定しています。突っこめというわけではないです。射線管理は大事。きちんと接近戦で勝てる相手なのか、ヘルスなのかを見極めることにスキルを磨くといいと思います。
    消耗品はPushを支えるという観点でも水中聴音がほぼマストです。航空機は空母に絡まれるので戦闘機でいいですかね。

    【ビルド3】

    私の中でかなり評価の高いビルドです。私だけかもしれません。
    隠蔽を捨てて火力を中遠距離で吐き続けるビルドです。隠蔽14.7kmで戦うことになります。ハナから中距離巡洋艦を倒すことしか考えていません

    とにかく撃たれます。

    なので最悪遠距離にシフトできる観測機を添えておくことを推奨します。別に撃つ相手が14.7km以内にいる必要はないので、島裏巡洋艦駆逐艦がその円の中で見えていればOKです。装填21sをお見舞いしましょう。ちなみに加減速回避を多用しない人であればUG4はメコンでもいいです。Pushするほどヘルスも残らないので消耗品は対空防御放火でいいでしょう。
    危険察知にする理由はもうとにかく撃たれるので敵弾接近が機能しないからです。あきらめましょう。

    このビルドは味方の視界への依存度がとても高いのが難点ですが、確実にこの船でしかできない楽しみがあります。せっかくなので一回は試してほしいです。


    いつもの対空もりもりは本当に意味がないので掲載しません。

    とにかく強みはそのAPにあります。そこをどのタイミングで活かすかがビルドの差になっているだけですね。HEを全く打たないと言ったらウソにはなりますがほぼAPです。実質ジブラルタル
    リュッチェンスは絶対発動しないのでこんな船に適性を振らないように。それだけです。

  • 最後に
    巡洋艦でありながら戦艦の砲を扱える個性の塊の船、それがSiegfriedだと思います。戦艦相手も難なく貫通が出るさまは本当に特殊ですね。6発撃って6発命中とかザラにあるんですよ。殺意が高い。エイムが裏切らないいい船です。逆にエイムがないと途端にゴミです。まあ当てやすい主砲なので問題ないと思います。是非相手に重い一撃をやってください。研究局艦リーズナブル枠としては大変楽しめると思います。

    (情報は12.0.0.0現在の物を使っております。大きな変更がありましたら適宜変更を加える予定です)

【巡洋艦論評】T8ドイツ巡洋艦-Admiral Hipper

  • はじめに
    ここに書いてあることはあくまで私個人の主観でしかありません。そこをご承知の上でご参考にしてくださいませ。ちなみに姉妹艦のPrinz Augenとは似て非なる船です。同型艦です。はい。Admiralで調べるとドイツ車が出てきます。ここもちゃんとドイツ…。

  • ドイツ巡洋艦について
    どうも細々と続いているシリーズです。みんなの頭から消えたころに新しく上がります。
    Nurnbergの項で詳しく話しているので詳細は割愛しますがドイツ巡洋艦は以下の特徴を備えています。
    HE貫通力が高くダメージが低い
    APのダメージが高い
    射程が長い
    機動性が悪い

     

    metabbo.hatenablog.com


    これらを踏まえた上で、特にAdmiral Hipperがどういった船なのか辿っていけたらいいかなと思います。

  • Admiral Hipperについて
    さてこの船ですが、前級のYorckとはまた違う味付けで、もちろんNurnbergまでのドイツ巡洋艦とも異なった味付けに仕上がっています。しかし後級のRoonとも違う味付けでツリーの中だと少し異彩を放っている船になっています、個人的にですが。
    という事でいつものごとく、一つずつ性能を紐解いていきながらお話しできたらなと思います。

    • 攻撃面について
      前級のYorckが同格比で優秀な攻撃性能を有していた為、そのままの感覚で行くと少し物足りなさを感じてしまうかもしれません。というのもHEの最大ダメージが2900から2500へと大幅に下がってしまいます。もちろんそれに見合った装填の改良はもちろんあるのですが…Yorckの時点で12sと優秀だったため装填10.5sになってもDPMでYorckに負けてしまう性能になっています。バフされてコレ
      その上でHEの瞬間火力は門数が4基8門と変わらないので下がっています。つまり対駆逐などは苦手になっていますね。
      まあそれでも50mm貫通は健在ですので相手を選ばず火力を吐くことが出来ます。

      とまあこれだとT8の面子がつぶれてしまうのですが、もちろん強化された部分もあります。
      一つ目が砲の取り回し。砲旋回が再び全力転舵に追い付くようになります。何ならかなり早く回る部類になります。
      二つ目がAP弾の強化。ダメージが大きく向上しました(5600→5900)。これにより腹を見せた敵に瞬間的に入るダメージは大きく向上しています
      三つ目が地味ですが弾道特性の統一ですね。Yorckって誤差ではあるのですがHEとAPの弾速が地味に違うんですね。そこが統一されます。エイムがくるわないので地味にうれしい要素ですね。

      こんなところでしょうか。地味にちゃんと強化を受けてるよという塩梅です。Yorckが強いだけとも言います。
      射程は17.7kmで依然として同格でトップクラスの物を誇っています。きちんと最大射程でも当てられる弾速もあるので不満はないでしょう。
      射角も前後共に35度でいたって平均的です。ここもYorckから悪化してるのは秘密

      ここまでをまとめるとまぁ悪くない…?普通?といった感想を受けるかと思いますがその通りだと思います。
      T8巡洋艦の中でもかなり平均的な攻撃性能を有しているんじゃないかなと思います。

    • 防御面について
      さて、ここがAdmiral HipperをAdmiral Hipperたらしめる要素になります。
      Nurnbergの頃には想像もつかないレベルで強化されます。同格随一です。

      まずは艦首艦尾が27mmもあります。この厚みはT11巡洋艦まで含めてもドイツ巡洋艦アメリ重巡洋艦にしか許されていない値になります。これによって得られる恩恵は数多いですが、一番大きいのは15インチのAP弾を跳弾できるようになるところでしょう。大きく生存性が上がります。そしてT8でこの装甲を持っているという点が非常に大きくてまだ同格戦艦に15インチ持ちが腐るほどいます。
      そしてもう一つ比較的大きい恩恵を感じれられるところがT7以下の152mmのHEがIFHEなしで貫通しません。なので相手が取ってないと分かれば死ぬほど強気に出られます。勝ち目無いレベルです。
      残り二つは本当に限定的ですが、IFHE込みで127mmの通常HEが貫通しないのと、FuriousとArk Royalのロケットが貫通しなくなります。英空不遇すぎひんか正直この二つは限定的すぎるので覚えなくてOKです。
      ちなみにペットボトルのキャップの直径が大体27mmです。

      それだけではありません。バイタルを守る外側の装甲の厚みは80mmと据え置きなのですが大きく傾斜がかかるようになった上に、外側に27mmのバルジ、バイタルには40mmのスロープとかなりT8としては堅牢なつくりになっています。もちろんYorckから引き続き水面下のバイタルに収まっています。しかし一長一短で、この80mm部分は遠距離だとまず弾が通らない場所にあります。その為、遠距離からの砲弾は他の巡洋艦よりも入りやすい事は念頭に置いておくべきでしょう。戦艦砲はどうせ入るので気を付けるべきは巡洋艦砲です。

      そして特筆点としてこの船、判定的な問題なんでしょうけど軽巡なんかよりずっと舵が壊れやすいです。推力は普通の重巡くらいの感覚なんですけどね。私の中では最後の抵抗が必須に感じるくらいには壊れやすいです。(同様の船体を扱っているPrinz Augen, Tallin, Mainzすべてに言えることですが)

      そして隠蔽は最良で11.2km、UGを転舵にしても12.4kmと射程に対して大きい余裕があります。どこかの英重巡とは大違い
      良くも悪くもビルドの幅が大きくていい巡洋艦だと思います。

    • その他
      まず消耗品については一般的なT8巡洋艦のラインナップが整っています。「水中聴音」「対空防御放火」の択一スロットに「戦闘機」の2つの消耗品を持っていけます。

      水中聴音に関してはこのTierからドイツ特有の艦艇発見6kmソナーを備えています。しかし後述しますが対空も優れているので難しい選択です。

      対空兵装についてですが、遠距離射程が5.2km、中距離が3.5kmドイツよろしく短射程なのですが、数値はT8巡洋艦としてみれば優秀です。その上で航空隠蔽は5.8kmまで縮むので対空スキルを少しばかりとるのも悪くない船だと思います。

      舵は素で9.2s、スロ5のUG込みでも5.5sなので決して軽くないです。しかし、隠蔽特化してもギリギリ回避が間に合う距離感ではあるので大きく問題があるわけではないと思います。なのでUGは割と好みの範疇かな、と。
      ですが速力は相変わらず伸び悩んでおり32ktしかでません。旋回半径は740mと決して悪くないどころかいい方に分類されますが、速力は曲がる速さにつながるので、旋回半径の割には曲がらなく感じるかもしれません。やっぱりどっかの英重巡に近い…?

  • ビルド・乗り方
    尖っている所が少なく全体的にマイルドな仕上がりになっている巡洋艦の為、何を活かそうとするかで大きくビルドが変わってくると思います。なので自分の中で何を活かして戦うかで決めていくのがよいかと思います。なので少しばかり長くなりますがいろいろな目的別のビルドを紹介できればと思います。

    【ビルド1】
    まずは私が一番気に入っているビルドから紹介します。

    こちらはそつなく誰相手でも相手ができる構成になっているかと思います。

    T8,9戦場であれば敵の種類(相手の得意なレンジ)にもよりますが、基本的に14~16kmあたりをメインの交戦距離に据えておいて、自身の体力と相手の布陣など次第で調整していくと良いかと思います。
    この船はHEスパムをするだけであれば得意レンジは中遠距離になりますが、本質的にダメージで一番貢献しやすい距離は中距離になると思います。遠距離はある程度避けられるというのももちろんですが、持っているHE火力が決して高くないのでダメージレースで勝てないことが頻発します。所謂「ダメージは出てるのに勝てない試合」を量産する感じですね。

    しかしこの船の面倒なところとして、中距離でも結局相手の動きに役割が依存する所だと思います。明確に「これが得意!」というものがこの船にはないんですね。先ほどは本質的には中距離が得意と言いましたが別に至近距離(~6km)での島同士のにらみ合い中距離(12~15km)でのAPを織り交ぜた打ち合い遠距離(15~17km)での相手の役割範囲外からの攻撃や抑制全部平均点以上にこなせるんです。では今抜けた距離である近距離(6~12km)が苦手といえる距離であることには間違いないのですが、ここも結局APが刺せるのであれば明確な苦手になるほどの欠点にはなりません。後ほど具体的な例を挙げてみます。
    ではどこで戦えばいいのか、そういう時に必要になってくるのが「相手の苦手なレンジ」になるわけですね。自分が大きく尖っていないので相手の苦手な部分で戦わせるのが一番となるわけです。明確に強い部分があるYorckやRoon,Hindenburgにおいては特筆すべき特徴であるとは言えない部分に該当するのでAdmiral Hipperでは特に考えるべき、という観点として抑えられるといいと思います。

    例えば…10kmでBaltimoreとお互い少数の戦線で相対してしまった場合。
    多くの人はここで一回距離を取るように動くことが大半だと思います。しかしBaltimore目線でAdmiral Hipperは近づかれると勝てない相手、なんですね。逆に相手が引いていくのであれば好きなタイミングで隠れられる上に今後先手を取れるわけですから戦場での選択権の多くをBaltimoreに渡すことになります。しかもDPMの差から、相手は中距離で撃ち合ったらまず負けません
    こういった事を踏まえると逆に詰めて相手に「ラム覚悟で距離を詰める」または「腹を一回見せて引きの姿勢を整える」「島に隠れてやり過ごす」といった選択肢を押し付けることがよい選択肢になるのではないのかなと思います。
    そこでソナーを活かした島同士のにらみ合いでBaltimoreが出たら魚雷で負けるシーンを作るか、自分からヘルスを使って無理やり落としに行くかは戦況次第ですが相手の得意をつぶす、その感覚が伝われば幸いです。

    という事で長くなりましたがこのビルドはどういった戦局でも仕事がこなせる万能ビルドに仕上げているつもりです。至近距離戦での優位の為に消耗品はソナーを推奨します。
    一応軽く各スキルの選択理由をサラッとおいていければ。

    装填手はあると突然見えた巡洋艦などへの対処が非常に楽になるので大事です。
    敵弾接近は回避の要、最後の抵抗は先述の舵の補助の面ですね。
    爆専は遠距離におけるPush抑制の効率が大きく変わります。
    集中砲火訓練は空母がとにかく来るサイドであった場合、味方との対空を併せてバブルを踏んだら嬉しいな、のアレです。おまけ
    AR隠蔽はもう言わずもがなですね。
    抗堪はヘルスが総合の仕事量につながるこの船においては非常に重要です。
    数的劣勢は劣勢の戦線における速力の補助の側面が大きいです。劣勢で撃たれ続けているときは敵が基本的に見えていますからずっと発動します。なので回避の助けになってくれるでしょう。修理班の無いこの船にとっては避けることは非常に大事なので私は外せずにいます。

    という事で長くなりましたが万能ビルドであればこんな感じかなぁ、と。

    【ビルド2】

    近中距離戦特化ビルドです。10戦も回したら満足したのを覚えています。

    遠距離がそんなに強くないのであれば近中距離で圧倒的優位を作った方がいいですね、ってことで作りました。流石に序盤から突っ込むことはしませんが比較的悪くない隠ぺいを使って結構好きに位置取りして相手を不快にさせることに特化しています爆発力に関しては随一のビルドになりますね。かなり前線まで出ることが多いビルドなのでソナーも魚雷回避に役に立つのですが、空母にみられ続けるのもきついビルドなので好みが出ます。対空防御放火にする場合はUG2を機関部にしましょう。
    ちなみに集中砲火訓練は消耗品強化にしてソナーの時間を伸ばしてもいいです。おすきにどうぞ。

    出るタイミングが非常に重要でそれ以外の仕事は他の巡洋艦に後れを取るような構成になっているのでとにかく一回のチャンスを逃すとそのまま最後まで引きずります。地獄です。一番尖ったピーキーなことで貢献したい人におすすめです。なんか似たビルドをどっかの英重巡でも見たような…?

    【ビルド3】

    遠距離戦にステータスを振ったビルドです。特にT10戦場などにおいては仕事が多くなるかと思います。逆を言えばT8戦場などにおいてはやや強みが活きにくいかと思います

    基本的に取っているスキルも引き撃ちや遠距離戦が有利になる構成に仕上がっています。危険察知を取っていますが、好みで装填手と敵弾接近に分解していいと思います。危険察知にした理由は遠距離においてはどのくらい背負っているのかという情報と「見えてない敵が何隻いるのか」の情報が戦線単位でのPushに役立つことが多いからですね。つまり好みです。

    一般的に雑に乗っていて最低限のスコアがきちんと保証されやすいビルドでもあります。逆に言えば「ダメージ出してるけど勝てない試合」を作りやすく「浮いていただけ」になるときもあるので時には得意レンジを離れることも大事になってくるかと思います。

    スキルを取る順番が
    最後の抵抗→危険察知→抗堪→隠蔽の4つで最低限完結しているので初心者にもお勧めしやすいですね。

    【ビルド4】

    いつもなぜか設けている空母に親を殺された枠です。要ります?

    持ち前の航空隠蔽の良さはぜひ活かしたいので隠蔽UGがおすすめです。そして対空防御放火は余裕で使い切るので管理と消耗品技術者を取っている感じですね。ちなみに5戦で飽きました。もちろん消耗品は対空防御放火です。

    他のT8対空艦に比べて打たれ強い為発見をもらっても構わないという点とオープンで戦いやすい点は特筆点でしょう。しかしそれ以上にこの船はやや後ろ目で戦う巡洋艦です。つまり敵空母が戦艦を殴ろうとしたときに一番邪魔な存在なわけですね。自分も仕事しながら味方を守れるという点がこの船で対空特化を運用する差別化点なのかなと思います。

    なので対戦艦が強く艦載機が脆い加賀などが相手の時が一番真価を発揮できるんじゃないでしょうか。


    とまあこんな感じに尖った点が少ないばかりに何をするのかというのが非常に重要になってくる巡洋艦かなと思います。もちろんこれらをベースに自分なりにアレンジしていただいていいと思います。この4つは自分で試したことがありますが、これ以外にもいろいろ選択肢はあると思いますので。
    ちなみにビルド3,4に関してはPrinz Augenにも流用できると思います。3に関しては集中砲火訓練と危険察知を敵弾接近と管理に分解したほうがいいですが。あちらは火力をさらに落とす代わりに粘り強さがより高くなる感じです。

  • 最後に
    何をするのか選択を続ける船、それがこのAdmiral Hipperだと思います。雑にHEを投げていても仕事ができる上にそれなりに耐えるので初心者にもお勧めしやすいツリーではあるのですが、こういった事を熟考して乗れるのがAdmiral Hipperの楽しさなのかなと思います。是非「相手にとって嫌な選択」を取り続けてみてください。通報が飛んできます。

    (情報は0.11.11.0現在の物を使っております。大きな変更がありましたら適宜変更を加える予定です)

【巡洋艦論評】T10イギリス巡洋艦-Gibraltar

  • はじめに

    ここに書いてあることはあくまで私個人の主観でしかありません。そこをご承知の上でご参考にしてくださいませ。今回は特にその線が強いと思います。見る苦行です。ミルク業。なんでもないです。
    色々機能を試そうと思ってもこういった事は苦手なのでいつも通りやらせていただきます。

  • Gibraltarについて

    ご無沙汰しております。なぜか続いてるシリーズです需要はいずこ。今回はT10イギリス巡洋艦のGibraltarについてお話をして行けたらと思います。
    さて、このGibraltarは研究局艦なのですが、研究局艦の例に漏れず一癖も二癖もある船に仕上がっています。拙い腕ながらもこのGibraltarを試行錯誤しながら乗らせていただいたので感想や改善点を執筆していきながら軽くまとめていけたらいいなと思う次第です。
    ちなみにリソースとしては59000研究リソースと研究局で交換できる巡洋艦では最も高額。そこだけな船感出してきてます。リセット回数としては素で6回、3か月に1回のボーナスで3回となります。相当やりこんでいる人でなければボーナスリセットのみに留めると思うので手に入れるのに9か月ほどかかるという事ですね。9か月の価値が見いだせるように頑張ります。
    さてそれではツリーとはかけ離れた特徴を持っているので比較などは無しにそのまま解説に入れたら、と。

    • 攻撃面について

      さてこのGibraltar、ツリー艦とは異なり攻撃手段を主砲と一応ラムしか持ち合わせていません。ですが高ティアにもなると主砲しか攻撃手段を持たない巡洋艦も数多くいます。そんな中でGibraltarはAP弾しか打てない巡洋艦になります。まるでツリー英軽巡のよう…と感じるかもしれませんが口径が234mmだったりいろいろオンリーワンな船に仕上がっています。

      • 主砲弾について
        弾道・弾速・及び貫通力はゴライアスとすべて同一のものとなっています。もちろんこれだと「ゴライアスでええやん」と言われる代物になってしまうのでもちろん差別化が図られています。その中身が
        ・マイノ同様の跳弾優遇
        ・信管作動厚が12mm
        ・信管作動時間がかなり短い
        というように英軽巡よろしくの仕様となっています。具体的に掘り下げていきましょう。

        まず跳弾角度が非常に優遇されています。跳弾確定が75度~、跳弾可能性が60~75度となっています。一般的に全門斉射角が30度を切る艦は数えるほどしかない為(ぱっと思いつくだけでも石見やマイノーターくらい)、かなり姿勢の強制力が高い部類になります。

        そして信管作動厚が12mmという事はマッチ帯のいかなる上部構造を含む装甲でも信管が作動します。もちろん駆逐にもちゃんと信管が作動します。例えばゴライアスはここの値が39mmと大きいため、戦艦相手でも過貫通が起きることがあるのですがそういった事とは無縁です。

        最後に信管作動時間がかなり短い、という事ですがどのくらい短いかというと0.005秒です。マイノーターとまたもや同じです。あまり詳しくない…という人の為に一般的な重巡洋艦の信管作動時間を書くのであれば0.033秒です。めちゃくちゃ短いです。

        先述の信管発動厚を超える装甲に当たってから信管作動時間が経過した時に砲弾がある場所にダメージが入る…という仕様になっています。つまり信管未発動がなく信管作動時間が短いこの船は過貫通とは無縁の世界にいる重巡洋艦という事ですね。ごくまれに信管が間に合わないで駆逐相手に過貫通するのは秘密

        まあこの辺は英軽巡ツリーにも共通する話ではあるのですが、攻撃面に関しては英軽巡比でワンパンの重さと剥き出しバイタルに対しての有効性の高さで差別化する形でしょうか。DPMはもちろん勝てません。不貫通はかなり出にくいのでダメージは案外変わらなかったりします。重巡と比較するのであれば圧倒的な駆逐に対するワンパンの大きさが大きいでしょう。跳弾はされますが。一応234mm持ちという事で軽巡などが持っている16mm装甲を強制貫通は出来るのですが前述の信管作動時間も相まって縦からバイタル直行…みたいなことはありません

        総じて跳弾角度・火災が起きないなどはSAPに近い挙動と言えますが、剥き出しバイタルへの命中弾を望める点や厚めの装甲にも有効打が出る可能性があるという点はこの船特有の物かと思います。

      • その他攻撃面について
        まず装填速度が素で13.5sとなっています。4連装3基で12門の13.5s…と他のT10に比べても決して早いといえる類ではありません。遅くもないです。APしか打てないという都合上有効打点が出せるシーンとそうでないシーンがはっきりしてるのでDPMの比較などは控えておきます。前に指向できる数が4連装2基の8門で巡洋艦としてはかなり高い火力を誇る点は一応念頭においてもいいかもしれません。
        当たり前の話ですがダメが入るシーンならHEよりダメージは出やすいですし逆も然りです。火力が出るシーンならまあ不満の無い火力だと思います。マイノーター比で不貫通とかもまあ出ないのでそういった点でも不満は少ないです。

        射程は16.8kmと極端に短いという事はないと思います。装填・射程どちらでも運用できる距離感かなと思います。装填だと煙幕なしで戦艦相手は厳しいです。

        ここまで書くと別に攻撃面に不満がない感じに見えてしまうのでちゃんと欠点も書いておく必要がありますね。
        まずは圧倒的射角の悪さ。前方37度-後方45度!!とかなり悪い仕上がりになっています。特に45度という数字はこの船の引き撃ちを圧倒的に苦手に仕上げている要素になっています。
        そしてもう一点…この船は煙幕を利用する巡洋艦なのですが、モク内発砲ペナルティが9.5kmと煙幕を自前で使う船とは思えない値になっています。ソ連巡洋艦ですか?
        引き撃ち姿勢で交戦開始するにしても厳しく、不利なヘルス交換を強要されるシーンが多い巡洋艦に仕上がっています。

        総括すると決して火力面は悪くないのですが射角とモク発見ペナで安定して火力を吐くことが難しい船に仕上がっています。

    • 防御面について

      皆さんは高ティア英重巡と聞くとどのような装甲を思い浮かべるでしょうか。この船はその例に漏れない装甲をしているのですが、彼ら以上に一点特筆すべき点があります。異常に被弾面積が大きいです。アホみたいに高い乾舷に幅もモリモリ。ほぼ空の牛乳パックでも水面上に浮かべてるのでしょうか。これだけでもう脆いといっても過言ではありません。
      そしてゴライアス同様の40mm甲板を備えています。側面30mm、艦首艦尾は標準的な25mm…と数字に関しては問題ないのですが、なぜか消えたバルジ装甲に剥き出しバイタルがあります。設計ミスかな?

      バイタルは日巡などにも採用されている凸の字バイタルです。砲塔直下はそんなに高くない(当社比)ですが機関部はばっちり高いです。装甲厚も178mmと決して厚くはないので戦艦砲が入ったらばっちりバイタルに入ります。天面も横隔壁も言うほど張ってないのでばっちり縦抜きもされますしAP爆弾もばっちり入ります。マルタのAPはさすがにバイタルまでは届きません。良かった。
      一言で纏めるならゴライアスのバイタル高さにデモインっぽさを足した感じです。先述の射角も併せて防御面は数値に対してかなり脆いのではないでしょうか。

      そして隠蔽ですがなぜかゴライアスより悪化している最良11.5kmとなります。この値、見つかった時点でモクペナと2kmしか差がありません
      航空隠蔽も最良7.5km、悪い部類です。

      最後の追い打ちとして修理班が通常の巡洋艦の仕様です。ゴライアスはあの修理班のおかげで粘れる…みたいなところがあるのですが装甲が弱体化した上に修理班までなくなっています。幸いHPプールが59400と同格でもトップクラスに高い点だけが救いでしょうか。

      総じて微妙な防御面になっています。後述の消耗品で何とかこの面をカバー…できたらいいんですけどね。

    • 消耗品について

      さて消耗品ですが「修理班」「煙幕」「ソナー」の3種類となります。選択できる消耗品などはありません。基本的に全部使いきるほどに使用頻度が高くなっています。

      • 修理班
        修理班に関しては先述の通り一般的な高ティア巡洋艦が持っている修理班ですが素のHPが高めであるため一回の修理班で1万ほど回復します。管理込みで4回、総合のHPプールとしては10万程度と悪くない値です。

      • 煙幕
        煙幕に関してはまず煙幕半径が英軽巡仕様で広いです。煙幕内で姿勢の変更をやりやすい為大変助かります。消耗品動作時間も15sと英軽巡仕様で一般的な駆逐艦などに比べると5s短いです。焚き始めが30ktで減速一杯にしていれば最終的にモクの中に籠れるくらいの速度感覚です。
        しかしなぜか煙幕持続時間は英軽巡仕様ではありません。通常のT10駆逐艦とほぼ同様の96sになっています。(至る所に冷遇要素詰め合わせ)
        これがジブラルタルの一番のアイデンティティといえる消耗品であり、独自の立ち回りを担保するものなのでどこで使うかが非常にカギになってきます。使用回数は管理込みで4回、使い切らないことはないと断言できます。

      • 水中聴音
        ソナーは一般的なT10巡洋艦ソナーとなっています。可もなく不可もなくですが煙幕に籠ることが多い仕様上、他の巡洋艦より助かるシーンは多いのではないでしょうか。対空防御放火は使えません。回数は管理込みで4回、普通です。

    • その他

      まず対空兵装。ゴライアスから中距離短距離を少し削ったような感じです。対空防御放火や戦闘機の類のものも持ち合わせていないため、自衛ができるかできないかで言うと被弾面積も相まって厳しい部類です。航空隠蔽も悪いので孤立せずとも狙われます。

      舵は12.6s、この大きさやTierで考えるのであればかなりまともな部類だと思います。UG4に推力が積めないため、転舵UGを取る人が多いのではないでしょうか。積んだ場合は10秒ぽっきり。旋回半径は840m、悪くありません。

      そして特筆点となる軽巡仕様の加速性能。減速は一般的な巡洋艦と差はないのですが加速は別。ものの10sで30ktに到達しますこれ前回の記事にも書きましたね。軽巡と違って舵を切るとハッキリと「減速している」のが分かるのも良い点ですね。(カニンガム積んで爆雷空襲で浸水させればもっと早くなります!!!!!)これを活かした加速回避が優に成り立つので戦艦1隻程度のフォーカスであれば側面で砲弾を流すなどの手段も交えてどうにかなります(自分が火力を吐けるとは言わない)。18インチ組は側面も痛い痛いになりやすいです。甲板受けなんて基本的に幻想です。
      軽巡と異なり、巡洋艦のHEに対する耐性も気持ちほんの気持ちだけあるので回避する弾をあらかじめ決めておけば致命傷は避けられますね。
      最大速度は高々33kt程度なので位置取りは得意ではありません
  • ビルド・乗り方

    値段だけバリューが高いように書いてしまいましたが、やはり重巡洋艦が煙幕を持っているというだけで個性の塊のような船に仕上がっています。他の煙幕巡洋艦に比べて煙幕がなくとも働きやすいというのも大事な個性です。
    今回は今までとは少し形式を変えて、実際に試したビルドと経緯を交えながらいろいろな乗り方を吟味して行けたらと思います。

    【ビルド1】
    まず私が最初に試したビルドがこちらになります。

    個人的に癖という癖がないビルドに仕上がっていると思います。割と正解に近かったかな、と。
    まず大前提ですがこの船はポジションセンスもそうですが戦場において出せる影響力が基本的に火力だけという事で火力を吐けることが最重要のファクトではあると思うのですが、この船が積んでいる砲がゴライアス砲…という事で射程延伸しても有効な火力が吐きづらい上にダメージレースで負ける気がしたので装填UGにして引き撃ち時の有利を作りやすくするように数的劣勢…といった感じでビルドを組み立てました。
    この船特有のものと言えば重徹甲弾でしょうか。HEを打てないという事で単純に5%火力向上につながるスキルです。他に取れるスキルも少ないので取り得じゃないでしょうか。

    このビルドで基本的に外側気味の配置で10戦ほど行いましたが、想像以上に「他の船でいいな」という感想を受けました。
    というのも初動は基本的に敵も外側に頭を向ける展開が多く有効打が出せない。もう何度も「HE撃ちたい!!」ってなりました。そして一応足の補助も兼ねて数的劣勢を付けていましたが、引き撃ちが想像以上に厳しい。射角がひどすぎる。開幕外側を取ると内側に逃げるかマップ隅を目指す感じになりますが、前者は敵に対する角度が残念になって、後者はその後打開できる足も火力もない…という状況に陥りがちでした。

    そして分かっていた!が、モクペナがかなり厳しい。粘るなんて言葉と無縁の世界。駆逐がどこにいるかわからない状況でのポジションが非常に難しい。

    【ビルド2】
    という背景もあって、射程があれば位置取りもしやすくなる上に無線で駆逐の位置の予測をしやすくなるように…という事で
    数的劣勢→無線探知
    装填UG→射程UG
    という変更を行いました。(微々たる変更なので画像は割愛します)

    さてこのビルド、非常に動きやすいです。以上、メリット終わりです。
    交戦距離が延びる都合上、ゴライアス砲では見てから余裕で反応されます。つまり撃つためのポジションで取れる位置は増えても火力は装填速度以上に失われます。これに気づくのに20戦近くかかってしまいました。生き延びるのは容易にはなったのですが、生き延びたところで負けるまでの時間を伸ばしているだけ…といった試合が続きました。かなり負け込みました。

    この辺から「この船中央取った方が強いか…?」という疑念が湧いてきました。私の悪い癖です。すぐに真ん中行きたがります。真ん中大好き。

    という事でビルドはそのままで中央重視の立ち回りに変えてみたんですね。
    隠蔽がまったく活きない。モクペナは割られるわ射線管理はとてもじゃないけど出来ないわでめげました。10戦くらいで。

    【ビルド3】

    そして再び装填に舞い戻ってきました。装填大好き。外目も内目も対応できるビルドにしようという心意気で行いました。その結果少しでも粘れるようにと抗堪をinしました。その結果63900というモスクワ並の体力を得ることに成功しました。(なお私のモスクワは69900)
    2スキルは3択ですが危険察知は見えてたらどうせ打たれる系Shipなので切りました。モクの展開時間が1.5秒だけですが展開回数が増えるのでかなり動きやすくなるかなという事で採用しました。

    さてそれでこのビルドを回した結果ですが、基本的にかなり好感触でした無線による動きやすさの担保煙幕が大きい!!!(超感動)
    正直普通に動くならかなりおすすめなビルドです。
    しかしやはりモクペナ問題は解決せず。このビルドのまま15戦ほどでしょうか。ここを解決する手段が欲しいなぁ…敵大型艦に踏み込まれたとき厳しいんだよなぁ…と。

    隠蔽を切れば疑似的に隠蔽とモクペナとの間の距離が伸びてモクペナを大型艦に割られにくくなるか?とかを考えていた頃の話です。ある動画で隠蔽切り最上級砲手を採用している型が居たのでダメでもともと試してみることに。

    【ビルド4】

    これで今使っているビルドに落ち着いた、というわけですね。
    このビルドのミソは隠蔽片切りに尽きるでしょうか。隠蔽12.7km、航空隠蔽に至っては8.7kmと舐め腐った値になっています。
    しかしどれだけ悪化しようとモクペナは9.5km猶予が2kmから3.2kmになったんですね。つまり必然的にはやめにモクを焚く機会が増えましたし、大型艦に割られることが少なくなりました。

    しかしまあすべてが完璧かと言われるともちろんNoで、しんがりを一人で務めるのはまぁ無理になりました。(射程も相まって)
    なのでハナから引きの生存重視で考えるのをやめて敵が帰りたくなる火力を吐けるようにしよう、困ったらモクを出そう。そんな感じに立ち回るように心がけました。
    そんな時に一番この船が居たら嫌だろうなぁという位置を考えたらやはり中央寄りなんですね。中央側に近寄りがたい、その状況を作れば敵を端に追いやれるわけです。そしたら戦線の管理が楽になって味方が火力を吐きやすくなる。そしてこの船自身も前に出やすくなるし多少の無茶はモクのおかげで利く

    自分のプレイスタイルも相まってかなりしっくりきました。12.7kmから装填10sで跳弾優遇のAPが飛んで来たら大体の船は帰ります。帰らないやつは「この船が何をされたら嫌かわかってる奴」です。最上級砲手も帰らせるという意味合いではかなりいいスキルかと思います。

    基本的に島を背負う時間はそんなに長くない方なのですが、今求められている仕事ではない方からは射線を切ることが多いです。そしてモクのおかげでかなり位置取りが自由という点がこの船の一番の強みだと考えております。撤退のモクでも居座るモクでもです。普通の巡洋艦ならクロス取られて痛い支払いをするところを取れたりするんですね。

    ということでやはり難しいのはモクがない時間です。かなりシビアな戦線・射線管理を要求されます。航空発見があほみたいに長いので空母にお熱にされたら下がらざるを得ません。一応転舵応答が6秒ピッタリまで縮むので多少は捌けます。これも隠蔽きりの効果でしょう。まず隠蔽切らなかったら発生しない問題とか言わない

    そういう意味ではリキャストが縮まる機会が非常に多い(中央に寄っているという点も相まって)ので、先日バフが来た対空・対潜専門家も悪くないのかもしれません。まだ使ったことがないので憶測でしか語れません。切るとしたら最上級砲手でしょう。最上級砲手自体は発動機会はそれなりにありますが、なくても問題はありません。モクのリキャストも縮まりますし、クソ航空隠蔽から発揮される潜水艦への辛さを多少は軽減できるかもしれません。どうでしょう。仮に変えるなら隠蔽を踏み込ませてる敵に火力を急ぎ吐くという前提が崩れるので射程UGもなしではないと思います。

    これはBelfast'43の項でも伝えましたがUG4は今後の展開次第で空襲改良も一考の価値ありです。というのもUG5の転舵改良だけでも応答速度が7.5秒と申し分ない値になるので空襲改良がより強い効果を得たら取る価値は十分にありますね。現状は潜水艦がいないマッチではまず腐りますし、転舵にすれば避けられる魚雷も増えると思うので「現状は」要らないものだとは思います。

    metabbo.hatenablog.com

     

    結局強みを生かすとなると自身にしか取れないポジションセンスが重要になってくる船かなと思います。足があるわけでもないので相手が嫌がる場所にポンと置いとくだけでいい据え膳みたいなものです。距離感も位置取りも「あぁこの船じゃないとできなかったな」という試合が多くあるのでぜひ乗ってみて確かめてください。でも正直交換優先度は低いです。これを優先的に交換することは牛乳パックを手前からとらずに奥からとるような行為です。消費期限は確かに長いですけどね、ちゃんと乗ってみたい船から交換しましょう。私はキワモノすぎるので3,4番目辺りに交換するのが一番かなと思います。以上本音。

  • 最後に

    他の船では取れないリスクを取れる船、それがこのGibraltarという船だと思います。剥き出しバイタル相手めちゃくちゃ強いんですよこの船。装甲配置・戦線管理・ヘルス支払い…考えることはそう他の巡洋艦に比べて多いという事はないですが独特な動きができるだけで楽しめるのではないでしょうか。是非乗る場合は「うわあいつめんどくせぇ」と思われるように存分にふるまってあげてください。

    (情報は0.11.9.0現在の物を使っております。大きな変更がありましたら適宜変更を加える予定です)

【巡洋艦論評】T8イギリスプレミアム巡洋艦-Belfast`43

  • はじめに
    ここに書いてあることはあくまで私個人の主観でしかありません。
    そこをご承知の上でご参考にしてくださいませ。だから私はWikiの内容も1意見程度にしか見ていません。人それぞれですからね。

  • イギリス軽巡洋艦ツリーとの差
    さてお久しぶりです。つい先日Belfastのオークションが始まりましたね。今ならその関連艦とも言えるBelfast`43について解説したら乗ってくれる同志が1人くらいは増えそうだと感じたので珍しく筆が進んでいる次第です。T6巡洋艦はなかなか気が進まず筆が進みません。言い訳しておきます。

    まずBelfast‘43を語る上で外せない要素がHE弾を打てるという点です。これは姿勢を選ばず相手に打点を出せるという事になります。イギリス軽巡駆逐艦にすら姿勢を作られると打点が出ないので大きい要素になります。逆に言えば腹を向けた駆逐艦に重い一撃を出せるのはツリーになるのでどっちが優れている…という話にはなりませんね。
    そしてAP弾が通常の軽巡洋艦の信管発動速度になっています。なので過貫通が発生しやすいですし、剝き出しでないバイタルに有効打が出る可能性も秘めています。といってもそのような機会はめったに訪れないのであまり使う機会は多くないです。

  • Belfast‘43について
    一言で纏めると昔のプレ艦らしいプレ艦です。ですが尖っている…という感じではなく何でもできるが器用貧乏といったところです。まずはこの船を彩る消耗品の数々を紐解いていければと思います。

    • 消耗品について
      この船は3つの消耗品を携えており、どれも使用頻度が高く試合を通してすべて使い切ることがザラといった感じになっています。それぞれが高い性能を発揮するといった感じではないのでこの消耗品をどのように使っていくかがカギになります。

      • ショートバースト煙幕
        まずは英駆逐に搭載されているショートバースト煙幕を搭載しています。巡洋艦でショートバーストを搭載しているのはほかに現在Didoだけなのでかなり異質な消耗品と言えます。煙幕にとどまる時間が必然的に短くなるので比較的自由な位置取りを支えてくれている消耗品ですね。管理込みで6回しか使えないので使いどころが大事です。煙幕改良のUGを積むと2秒継続時間が短くなる代わりに4.5秒展開時間が伸びて煙幕範囲が目に見えて広がるので減速を入れ始めるタイミングを少しだけ甘えることが出来るようになり煙幕内で後進からの姿勢変更がギリギリ間に合います。ただ精度UGを捨てることになるので手放しに推奨は出来ません。可能な斉射数は煙幕の発生とともに撃っていれば変わりません。

      • 警戒レーダー
        射程が9km,継続時間が25sのレーダーです。基本的に自身で対駆逐火力が足りている船ですがいかんせん継続時間が短いのでスキルやUGで補う事を推奨します。最大まで伸ばして33sとなります。装填にバフが入った為照準に3秒までなら掛けても4斉射できます。隠蔽が8.9kmなのでギリギリ隠蔽レーダーができますがその距離の猶予は0.1kmしかありません。なので相手駆逐がわかっていたらすぐに射程外に逃げられるように近づいてくることが大半なので必ずレーダーを焚くときは「ほかに撃てる味方がいるか」「自身がある程度リスクを抑えて火力を出せるか」などを吟味する必要があります。なにせ数が管理込みで3回なので。

      • 水中聴音
        艦艇発見5km,魚雷発見3.5kmT8以上の標準のソナーです…と言いたいところですがこの船の場合は艦艇発見の5kmを頻繁に使います。魚雷警戒用に炊くのももちろん大事ですが展開次第では島のにらみ合いに持っていきたいな…なんて時もあるのでそうなりそうなときは温存という選択が出てきます。こちらも管理込みで3個しかありません。呪われているんでしょうか。

    • 攻撃面について
      T8巡洋艦としてみたらかなり悪い方に分類されます。
      主砲は3連装砲4基12門の背負い式なのですが、射角が前後共に39度かなり悪い部類になります。3基だけなら打てるいい射角…みたいなのも存在しないので火力を出す=リスクのある姿勢を晒すという事になりますね。砲旋回も少し遅いくらいに仕上がっているので砲はどちら側でこの後戦いたいかできちんと向けておく必要がありますね。
      そして更に問題とされるのは装填速度ですね。同格の12門の軽巡洋艦ってそれなりに数がいるのですがその中で装填がワーストの10sとなっています。何なら格下にも劣ります。ですが軽巡砲としては気持ち高い単発ダメージを持っています。大体ドンスコイと似たような砲諸元ですね。なので斉射されたらドンスコイと同じくらい削ってくる砲だ!ぐらいに思っとくといいです。弾速はダンチですが。とまあ瞬間火力重視の砲性能をしているのですがその代償としてはだいぶ遅い装填速度に仕上がっている塩梅です。

      射程は15.4kmで同格軽巡と比較してもまあ普通といったところでしょうか。役割対象にあまり戦艦が入る船でもないですし、遠距離向きの砲性能をしていないので特段困るようなことはないかと思います。長くはないです。
      あと8kmの魚雷を持っています単射可能です。片舷3門なので本当におまけです。射角はまあ後ろよりなので引き撃ち時にギリギリ使えるでしょうか。

      とまあここまで纏めて攻撃面で褒められる点がほぼないといった感じになってしまいます。だから消耗品の使いどころが大変大事な船になるわけですね。

    • 防御面について
      こちらもかなり悲惨な仕上がりです。
      艦首艦尾は16mm,側面や甲板が19mmになります。艦首をアンリなどの240mm以上から、側面と甲板が大型巡洋艦などの283mmなどから強制貫通される値になります。間違っても大型巡洋艦と撃ち合いでもしようものなら死にます。横隔壁も決して厚い装甲で守られているなんてことはないので大型砲に対する耐性は皆無に近いです。
      バイタルは水面上に大きく出てる…という事はないのですが水面上に大きく出ている厚みのある補助区画がかなりのクセモノです。その部分の甲板は51mm,側面は114mmというバイタル同様の装甲が張られているのですがそこと接しているバイタルの部分の甲板装甲が6mmしかありません。この6mmという数字、駆逐砲ですら強制貫通するのでつまりはAPがここまで届いた時点でバイタル確定です。なので少しでも斜めにこの部分にAPが被弾したらバイタルと同義です。つまりこの部分は水面上に大きく出たバイタルとも言えます。かなり限定的ですがサンダラーとプロイセンのHEはバイタルに入ります。
      ここに追い打ち。英軽巡ツリーにも言えることですが被弾面積が大きいです。乾舷が高く幅も広い。つまり多少の奥行き偏差を相手がミスしても当たってしまうことがある、そんな感じです。

      とまあ装甲面の話はおおよそ「軽巡だしね」で割り切れる人もいると思うのですがこの船にはツリー英軽巡にある修理班がありません。なので被弾はそのまんま死へのカウントダウンになります。

      ですがそんな軽装甲でも立ち回りを楽にしてくれる隠蔽をこの船は持ち合わせています。隠蔽8.9kmというのは巡洋艦の中ではトップクラスで現状これと並ぶもしくは上回る巡洋艦は片手で収まります。やっといいところ見せられましたね。
      といっても撃てばなくなるものなのでやはりあくまで位置取りのしやすさを支えるものにすぎません。

    • その他
      対空兵装に関しては自衛不可能なレベルです。格下空母ならギリギリ往復は嫌がるでしょうか。同格以上は無理です。あきらめましょう。

      舵は10秒弱とまあよくはないですね。ですが後述の加減速性能を有しているが為に推力UGを積めないので半ば消去法のように舵UGを選択することとなります。なので実際は8秒といったところなのですが…昨今の潜水艦事情に左右されそうです。というのもこの子3個しか爆雷を投げません。ただでさえ爆雷空襲でないので潜水艦を落とすのは骨が折れるのですが、爆雷を3個しか投げないんですよ。それを2回までチャージできるので6回。いくらダメージが優れているからといって計6発で沈められることは稀です。それを爆雷改良にすると一回あたりが5発になって計10発投げられます!これなら潜水艦を落としきれますね。ソナーもレーダーもあるという事でまず潜水艦は近づきたがらないとは思うのですが…。という事で爆雷改良のUGは正直使用率がかなり低いと思うのでテコ入れされたら選択肢に入ると思います。

      そして軽巡特有の加速性能を有しています。舵を切らない場合0kt→最大船速・最大船速→0ktともに30秒もかかります。減速に関しては一定のペースで減速をする上に舵を切っても停船にかかる時間は数秒ほどしか変わりません。なので大体25ktくらいの状態から煙幕を吐かないとどうあがいてもはみ出ます。対して加速に関しては30ktほどまでは異常なほどに加速が早く10秒もかかりません。この加速性能を活かして1回に限っては加速回避を有効に行えます。しかしそれ以降は基本的に鈍いので被弾面積も相まって厳しくなります。また舵を切っても28ktほどにしかならないなど速度周りがかなり特殊な船だと言えます。動き続けたいのかもしれませんね。多動症の私にぴったりです。

  • 乗り方
    とまあ散々書きましたが褒められる点が決して多くないです。それを補うのが消耗品の数々といったところです。正直どの仕事をとってもBelfast‘43より遂行能力が高い子がいます。つまり

    「なんでもできるけど、それぞれ6/10点くらいだからどれをやるのか選ばされる船」

    となります。こういうと悲しい子みたいに聞こえますが全部を平均点以上でこなせる子はほぼいないといっても過言じゃないので今求められている仕事を遂行することが実際勝ちにつながると思います。という事で具体的にどういったことをすることが多いのか見ていきましょう。

    • 駆逐艦処理
      これが一番この船が得意としていることで間違いないでしょう。しかし先述の通り隠蔽とレーダー射程の猶予が0.1kmしかないため発見はいったからレーダー炊きます!だと有効なレーダーにならずにただリキャストの時間を待つだけになってしまいます。なのでどう焚くかがセンスの問われどころになります。この記事を読むもの好きに初心者は少ないと思いますが一応どういった炊き方をすると有効か何個か例をあげておきます。
      • 島ひょこ炊き
        分隊を組んでいないときに特に有効です。島で一回視界を取られないようにして敵駆逐に完全な位置を悟られずにレーダー圏内のいいところまで来てもらってひょこっと姿を出して撃つ方法です。
        この炊き方はまず航空発見一つでつぶれるので戦線ど真ん中で待つというよりはやや隅に寄った方が安全ではあります。ですがそうすると逃げられやすくもなるのでいい塩梅をマップごとに抑えておくのがBestです。自身が発見が入っていないというのは相手駆逐にとってリスクを抑えて動ける範囲をかなり狭める行為になります。なので発見をもらわないというのは非常に大切です。
        この方法はBelfast`43の場所にとらわれずに好きなところで構えられるというメリットをかなぐり捨てるような戦い方ですが、ソロの場合味方を信頼しきるというのは大変危険なので自分でどうにかするべき時は自分で完結する戦い方をする必要があります。となるとこういった感じになってしまいますね。相手駆逐の位置はRPFと味方の被発見などで探る感じですね。分隊を組んでいると味方分隊員の被発見でいる戦線がばれてしまうことが多いのであまり刺さりません。

      • モク追撃
        敵駆逐が味方駆逐に隠ぺい負けしているときに有効です。43は味方駆逐の援護をできる位置に基本的に立っておきます。島を背負うと基本的に射撃機会を損失する可能性があるので逃げ道に島を確保する程度がおすすめです。
        味方駆逐が相手駆逐に「モクを焚いて逃げる」か「突っ張る」かの2択を押し付けるわけですが、モクを焚いて逃げるならかなり奥まで浸透できます。その時点で敵駆逐のRePushを阻止できますし、モクに籠る選択をしたらもれなく墓場送りにできますね。チーン
        逆に突っ張る選択をしたらこっちは適当にモクを吐いて援護すればいいのです。相手が隠れるならレーダーで確実な追撃を。

      • 島縫い
        中盤から終盤になるとかなり戦線にお互い「穴」が開きます。隠蔽8.9kmを振りかざしてその穴を丁寧に縫って敵駆逐にぬるりと近づきます。おおよその敵駆逐の位置が分かっていれば近づく際に駆逐との間に島を挟むことは容易です。そしていざ相対したらレーダーでこんにちは!と叫ぶんですねハーイ。この動きができるころには残り1レーダーとかになっているのでそのレーダーは有効に活用することが大事なんですね。なので確殺できるほどに近づけるのが理想です。航空発見が厳しい焚き方なので空母が来そうなときはやめておきましょう

      • 押せ押せレーダー
        一番レアです。敵の大型巡洋艦と戦艦が自分にフォーカスできないときに限ります。相手が逃げるより早く追撃できるように頭を付けて全速前進です。基本的に相手が逃げる姿勢を作る時間が発生するのでその間に大体8kmくらいまでは縮められます。そしたらあとは10秒ごとに斉射するだけのお仕事です。

      • 洋上ガン待ち
        ヘルス有利などが取れているときに有効です。普通に押されたくないところでガン待ちしておきます。相手がお尻相撲をしてきても1斉射は絶対にできます。何なら加速性能の差で2,3斉射くらいはできます。ですがこれは追撃していい場合に限ります。安全にモクを吐く方が序盤はいいでしょう。使い勝手のいいモクのおかげで変な位置取りもできるってことですね。これは他のレーダー艦には一切ない特色なので島に頼らない位置取りも抑えておくといいです。押されたくないところを半径9kmに入れる感じでOKです。頭を付けてきた駆逐は確殺するくらいの殺意を持つといいでしょう。

      • ちなみにDPSどうなの問題
        さて、いわゆる隠蔽≒レーダー射程の巡洋艦って他にはBaltimoreくらいなものなんですね。なのでいわゆる駆逐艦側が取れる対処って近しいものになるんですが、このBaltimore比で火力がどのくらい違うのか知っておく必要がありますね。

        まずもBelfast`43もBaltimoreもレーダー時間は最大で33秒かつ装填が10sとなります。よってどちらもレーダー中に最大4斉射となるので単純にHEの最大ダメ2450と2800の違いが響いてくる形になります。以下に一応4斉射のHEのDPSを置いておきます。
          ・Belfast‘43(2基) 58800
          ・Baltimore(2基) 67200
          ・Belfast`43(4基) 117600
          ・Baltimore(3基) 100800

        とまあこんな感じに全門斉射ができるならBelfast`43の方が火力が出るといった感じになります。そこにモクを含めた位置取りの自由度が加わるため、この駆逐艦処理という仕事においてはBelfast`43の得意分野といえるでしょう。なので大事なのはとにかく駆逐艦との当たり方です。

    • Push押し戻し
      これはシンプルですね。敵の出る杭を打つという魂胆です。この時にPush艦艇がT8以上の戦艦だった場合IFHEがないと押し戻せません。40秒のスモークで5斉射ほどしかできないのに運の火災に頼るより確実に削れる貫通弾の方がかなり価値が高いです。スモークが晴れても9kmの中に敵艦艇が入らないようにスモークを背にして戦いましょう。ただ決して持っている火力は高くないのでいわゆる引き撃ちが強い巡洋艦に比べたら劣ります。強みは一方的なヘルストレードができる点などでしょうか。
      この時に限り魚雷がたまに刺さります。

    • 島越しのにらみ合い
      ソナーとレーダーがあるので島越しのにらみ合いもどんとこいです。おまけに魚雷を持っているので相手に尻を追いかけられるような形でにらみ合いになった場合相手のPushを許しません。その相手のPushを止めることに意義がある場合は積極的に請け負っていいです。他の船が請け負うくらいなら適正もある上に火力として損失の少ないこの船が行う方が勝ちに繋げやすいです。

    • 味方の撤退援護
      英駆でよくやる動きですね。腹を晒すシーンをモクで隠してあげる感じです。逃げ遅れた味方を安全に逃がせる時点でBelfast`43がモクで火力を吐くより価値が高いです。位置が駆逐に比べて後ろなので撤退援護の為の移動量が少なく無駄が少ないです。

      とまあ一例だけでもあげてみました。これ以外にももちろんできることは多いのですが基本こういったことを積み重ねる巡洋艦だよ、という点を理解していただけたら幸いです。これらの仕事の中から一番今やるべきことを選択し続ける、というのがこの船の難しい且つ楽しいところでもあります。このために味方艦艇に関する幅広い知識を要求されるきらいがありますね。醍醐味です。

  • ビルド
    この船はスキルがかつかつなので何をするかで考える必要がありますね。という事で具体的な例を交えて艦長スキルの方から見ていきましょう。

    【例1】

    私の愛用している型です。この中でも特に必須と言えるスキル「隠蔽処理専門家」「管理」でしょう。他は立ち回りやフォーカスの変更で不要になる可能性がありますがこの2つはないとこの船をまともに操艦すらできなくなります。レーダーとソナー2個ではまともに影響力を出せませんし、最良隠蔽を捨てたらただでさえ脆いのに他の巡洋艦に先手を取られるようになる他、隠蔽レーダーすら捨てることとなります。

    それを踏まえた上でこのビルドのお話をば。これはかなり対駆逐に寄せつつも対戦艦も打点が出せるようにしたビルドになります。ですがいわゆる最後の抵抗や危険察知を切る都合上、敵弾接近だけでリスクを管理する必要があります。なのでちゃんとフリールックとお友達の人でないと被弾がかえって増えてしまうかもしれません。ですがこれが私にとってはBelfast`43の基本形だと思っています。

    【例2】

    同格以上の対戦艦を割り切ったビルドになります。先述の仕事を全てこなすという点においては難しくなってしまいますが、対駆逐に関してはより強力かつ生存性を若干ですが確保できるのが強みになります。

    【例3】

    無線探知すら切ってしまうビルドです。得意とする仕事はかなり減ってしまいますが、無線探知がいらないだったり火災が好きなんです。という方にはお勧めできるかもしれません。隠蔽レーダー自体は可能なので見当違いな方向に砲が向いていない限りはグリスアップも取れる都合上対駆逐は苦手というわけではありません。

    【例4】

    対戦艦に重きを置いたビルドです。一応対駆逐もできるよ、くらいの塩梅になります。この巡洋艦、口径が152mmなのでIFHEを付けても37mm貫通なんですね。これではT9以上の戦艦には打点が出しにくいから火災を付けるか…けれどIFHEなしでは流石に打点が厳しい!と感じる方に向けたものですね。雀の涙ですが火災率を1%だけあげます。爆発物専門家とグリスアップを切ってアドレナリンラッシュを取るのもアリです。

    ちなみに最上級砲手ですがつけてもレーダー中の斉射可能数は変わりません。重榴弾はWG側からは推奨とのことですが、いわゆる駆逐に対するワンパンを高める用途ではアリですがデメリットがこの船の強みである隠蔽レーダーをつぶしてしまいます。あまりお勧めは出来ません。
    とまあこんな感じに何かしらを犠牲にしないといけないのがこの船の艦長スキルになります。特化にするかマイルドにするかは自身が何をしたくてこの船に乗っているのかとぜひ相談してみてください。特化しても他の船の劣化じゃんとかは禁句です

    UGと消耗品に関しては以下のような感じですかね。

    先述の通り潜水艦戦闘の仕様が大きく変わったり爆雷改良がアッパーされたら4スロが変わるくらいでしょうか。レーダーの枠は間違っても戦闘機にしないでくださいね。煙幕改良はお好みで。私は駆逐に対する命中弾が1発でも減るのを嫌っているので射撃システム改良を取ってます。

  • 最後に
    自分にできる仕事を淡々とこなすいぶし銀、Belfast`43はそういう船だと思います。火力で勝負を挑んだら正直同格どころか格下に撃ち負ける可能性も秘めてます。なのでそこをどう消耗品でカバーするか、そこが問われる非常に面白い船だと思います。他の軽巡でも味わえない脇役っぷりを是非楽しんでください。

    (情報は0.11.8.0現在の物を使っております。大きな変更がありましたら適宜変更を加える予定です)