【巡洋艦論評】T9ドイツ巡洋艦-Siegfried
-
はじめに
ここに書いてあることはあくまで私個人の主観でしかありません。そこをご承知の上でご参考にしてくださいませ。守れない人には大口径APをお見舞いします。あ、自分がされる側ですね。待ってます - Siegfriedについて
先日T9巡洋艦1vs1闘争があったんですよ。そこに"I am cockroach"と言わんばかりに湧いて出てくるAgir。やっていた人は記憶に新しいかもしれません。そんなAgirと似た船体を持つSiegfriedについてぼちぼち研究リセットボーナス来ますし纏めていかにGibraltarが研究局艦で優れているかを証明したいと思います。
ちなみにこのSiegfried、T9であるため47000研究リソースという少しリーズナブルな価格で手に入ります。他のT9研究局艦はPaolo EmilioとHectorの2隻なので研究局艦ほしいけど6万は高い…という気持ちになった時の選択肢になるかもしれませんね。乗ってみたい船に乗るのが一番です。
そんなSiegfriedですが研究艦の例に漏れず個性の塊のような性能をしているのでそこを辿っていけたらと思います。
- 攻撃面について
まず前置きとしてこの船はマッチングにおいて巡洋艦の枠を使います。それでありながらBismarckに搭載されている主砲である380mm/52 SK C/34を搭載しています。戦艦が大型巡洋艦相当の口径の砲を積む、という例は何個もありますが、巡洋艦が戦艦相当の口径の砲を積むというのはSiegfriedとSevastopolの2例しかありません。どちらも研究艦
その時点で既にアイデンティティの塊なのですが、詳しく掘り下げていきましょう。
先述の通りBismarckと弾速や貫通力が完全に一緒の砲を3基6門搭載しています。特に跳弾優遇や早発などもないごく一般的なAPに仕上がっています。その為巡洋艦でありながら「強制貫通」で分からせることが出来ます。
具体的には26mmまで強制貫通できますが、この値は米独重巡を除いた巡洋艦すべての艦首艦尾とT7以下の戦艦の艦首艦尾などに採用されている値です。
しかしその代償として6門に26sという装填時間が課せられています。そのせいもあってAPのDPMは同格最下位、素のBrestやDrakeよりも低いという低さになっています。いかに有効打を与えるかが重要ですね。
しかし多くの大型巡洋艦に付きまとってくる精度という問題。これをこの船は解決している点が特筆点でしょう。一般的な大型巡洋艦はシュペー散布と呼ばれる戦艦と巡洋艦の中間のような散布を採用されていることが大半なのですが、このSiegfriedは門数の少なさを補うかのように「巡洋艦散布」を採用しています。
じゃあ実際どのくらい変わるのよ?気になると思います。
例えば16km地点でのUG込み水平散布は
・Bismarck 205m
・Agir 170m
・Siegfrid 133m
とかなり戦艦に比べて小さい散布界で撃つことが出来ます。
ちなみに戦艦の中でもとりわけ優れた遠距離精度を持つSlavaや敷島でも172mです。いかに小さいかが伝わると思います。
戦艦砲を巡洋艦散布かつσ2.05で投げることが出来る、そこにこの船の全ての魅力が詰まっているといっても過言ではありません。
もちろん戦艦のAPを使える時点で斉射火力などにまったく不満はないのですが、その装填速度とHEのダメージの低さからHEDPMは古鷹以下という値でダントツのマッチ帯ワーストです。という事で巡洋艦とは名ばかりで対駆逐の圧力はものすごく低いです。「戦艦砲だから一発は強いんでしょ?」という幻想すら打ち砕かれます。斉射火力は利根と同等。そういう事です。
射程は素で20.6km、まったくもって不満の無い値になっています。先述の持ち前の継続火力を補うという意味でも装填UGが欲しいところではありますね。砲旋回も装填UG込みで全力転舵に間に合いますし特に不満はないと思います。射角は前方34度、後方36度と常識的な範囲ですね。
総評としては一般的な大型巡洋艦をよりピーキーに仕上げたといったところでしょう。 - 防御面について
ドイツ譲りの艦首艦尾27mmを完備しています。艦尾だけに
甲板30mmは大型巡洋艦としてみれば一般的ですが同格巡洋艦比では優秀な値です。ですがそれ以上に側面90mmが特徴的でしょう。側面装甲全てが90mmに覆われており、反跳爆撃機に対する耐性・側面を利用した跳弾において非常に使いやすい装甲をしています。近距離におけるHEを無効化できる面積が広くなるのもありがたい要素かもしれません。
しかしいいことだらけではありません。側面に入ろうものなら戦艦のAPが過貫通を絶対しません。大型巡洋艦の中でも特に貫通弾をもらいやすい存在であることは間違いありません。(跳弾できなければ)
そして艦首艦尾が大きい故か、それぞれの区画耐久が多めに割り振られています。なので艦首が痛い痛いしやすいです。頭を向けにくい要素の一つにもなりますが、砲配置や射角的にもあまり引き撃ちをしたくないというのもまた事実ですね。
バイタル配置自体は独巡よろしく多重装甲、そんなに柔らかくもないですし、過信もできない。その程度だと思います。ですがT9屈指の62950のヘルスがあるのでその辺のT9巡洋艦よりは耐えると思います。
総合的に言うのであれば良くも悪くも被弾面積相応の普通の防御といえるでしょう。決して柔らかいなどはありませんし、27mmのおかげで380mm相手にはある程度強気に出れるのも事実です。
火災時間が他の大型巡洋艦同様60sなのでそこだけ気を付けたいですね。
隠蔽は最良11.9kmとBrestやAgir、吾妻と並んで大口径主砲を持つ巡洋艦トップクラスの物を有しています。Topは格上のSevastopolですね。(あいつおかしい)
舵は14sと鈍重も鈍重。曲がり方は素直ですが大きいので回避は難しい部類です。
良さげの隠蔽に高いDPSでチャンスを確実にするのが大事な船に思いますね。 - その他
まず消耗品は水中聴音と対空防御放火の択一スロットにAgirにはない戦闘機と観測機の択一スロ、そして通常の修理班となります。修理班の回数は素で3回なのでドイツ巡洋艦の回数優遇はありません。それぞれの択一スロットは結構人によってばらけるところなのがいい調整ですね。
対空兵装に関してですがドイツでありながら6km対空を保持しています。その射程をツリー巡洋艦にください
ですがバブルは5個、継続ダメージも雀の涙のような値なので射程が長いだけにとどまりますね。航空隠蔽は最良でも8.7kmと長いので基本的に空母側にかなり選択権を与えてしまう形になります。舵も鈍重で大きいので空母に絡まれると割とつらい思いをします。
ですが、中距離対空もドイツらしからぬ4kmもあり、こちらは往復をだいぶ渋らせる程度には数字が優秀なので爆撃などは往復されにくい傾向にあります。まあもとより足がある方ではないのであまり孤立しないが吉です。
後述する消耗品の影響もあって対空防御放火を切るという選択肢も全然あるのでやはり孤立は禁物です。
あとは副兵装として魚雷を携えています。ですがドイツ巡洋艦おなじみのT5から何も変わっていない魚雷になります。威力も不満が残るものなので最終手段ととらえた方がいいです。基本的にこの船は接近戦をするメリットが薄いので。ちなみにAgirと違って船体に格納されています。気持ち壊れにくさを感じるかもしれません。どうせHEの爆風で壊れるって?おっしゃる通りです
ちなみにかつて副砲型巡洋艦として調整されていた名残なのか副砲射程が8.3kmもあります。伸ばしきると10kmにも及びます。対駆逐のお守りくらいにはなることはありますが特化する価値があるかと言われるとちょっとないです。伸ばすという事は主砲の精度を捨てて強みを一つ手放しにするようなものです。特に精度の優遇などもありません。というより艦長スキル刷新の影響で巡洋艦の艦長スキルで伸ばせるのが副砲の装填時間だけなので使いにくいの一言です。それやりたいならAdmiral Schroderをお勧めします。あちらは精度優遇に射程=隠蔽ができるので活用しやすいです。
- 攻撃面について
- ビルド・乗り方
まず大前提この船は持ち前の火力のほとんどをAPに集中させているのでとにかくAPを刺せる位置取りが重要です。相手の戦艦や巡洋艦目線でいられると面倒なところを取るのが他の巡洋艦より大事になります。逆に駆逐に対する圧力は最低レベルなので駆逐にとって嫌な動きをしても有効になる機会は少ないです。ここははっきり割り切らなければいけないところだと思います。それを踏まえてビルドを見ていければと思います。
【ビルド1】
まずは無難な遠距離シフトビルドから行きましょう。
一番戦いやすいビルドだと思います。
基本遠距離砲戦を想定したビルドです。射程は素で十分すぎるほどあるので18km程度で砲戦を行っていればまったく不満はないと思います。基本役割対象は巡洋艦及び戦艦。味方戦艦とクロスを組みに行くのを優先すればおのずと火力優勢を作れるはずです。消耗品は基本は対空防御放火でいいでしょう。航空機のスロットは気持ち遠距離を打ちたいシーンがたまにあるので観測機を個人的には推奨します。
このビルドは序盤の優勢を作れないと結構ジリ貧になってしまうので最初の10分が大事なビルドかなと思います。主砲がBismarck砲というのもあって戦艦砲で結構壊れるので応急工作班改良はやめとくが吉です。2秒の伸びるメリットは全く感じませんでした。
遠距離主体であれば隠蔽が欲しいシーンよりも舵で確実な回避につなげた方が貢献度が高い傾向にあります。
スキルに関しては特に特筆するものを取っていませんが重徹甲はほぼ取り得です。ARの方が火力上昇幅は大きいので基本こっちを先に取ることにはなりますが、重徹甲と合わせ技をすれば敵なしです。
【ビルド2】
中盤以降のPushに重きを置いたビルドです。基本的にヘルスは使い切る前提です。管理は抗堪でもOKです。またUG2を水中聴音改良、UG5を隠蔽UGにしてもいいと思います。その場合は慎重に序盤は動けばいいだけですね。序盤は基本中遠距離であまりヘルスを使わない運用で問題ありませんが、最上級砲手を付けることで中盤以降の崩しの性能に重きを置いています。島裏巡洋艦などに粘られるシーンを消すのが目的ですね。なのでPushと言いつつ自分が先陣を切ってヘルスを使い切ることをある程度想定しています。突っこめというわけではないです。射線管理は大事。きちんと接近戦で勝てる相手なのか、ヘルスなのかを見極めることにスキルを磨くといいと思います。
消耗品はPushを支えるという観点でも水中聴音がほぼマストです。航空機は空母に絡まれるので戦闘機でいいですかね。
【ビルド3】
私の中でかなり評価の高いビルドです。私だけかもしれません。
隠蔽を捨てて火力を中遠距離で吐き続けるビルドです。隠蔽14.7kmで戦うことになります。ハナから中距離巡洋艦を倒すことしか考えていません。
とにかく撃たれます。
なので最悪遠距離にシフトできる観測機を添えておくことを推奨します。別に撃つ相手が14.7km以内にいる必要はないので、島裏巡洋艦や駆逐艦がその円の中で見えていればOKです。装填21sをお見舞いしましょう。ちなみに加減速回避を多用しない人であればUG4はダメコンでもいいです。Pushするほどヘルスも残らないので消耗品は対空防御放火でいいでしょう。
危険察知にする理由はもうとにかく撃たれるので敵弾接近が機能しないからです。あきらめましょう。
このビルドは味方の視界への依存度がとても高いのが難点ですが、確実にこの船でしかできない楽しみがあります。せっかくなので一回は試してほしいです。
いつもの対空もりもりは本当に意味がないので掲載しません。
とにかく強みはそのAPにあります。そこをどのタイミングで活かすかがビルドの差になっているだけですね。HEを全く打たないと言ったらウソにはなりますがほぼAPです。実質ジブラルタル
リュッチェンスは絶対発動しないのでこんな船に適性を振らないように。それだけです。 - 最後に
巡洋艦でありながら戦艦の砲を扱える個性の塊の船、それがSiegfriedだと思います。戦艦相手も難なく貫通が出るさまは本当に特殊ですね。6発撃って6発命中とかザラにあるんですよ。殺意が高い。エイムが裏切らないいい船です。逆にエイムがないと途端にゴミです。まあ当てやすい主砲なので問題ないと思います。是非相手に重い一撃をやってください。研究局艦リーズナブル枠としては大変楽しめると思います。
(情報は12.0.0.0現在の物を使っております。大きな変更がありましたら適宜変更を加える予定です)