The_best_CA_Gibraltar

ジブラルタルは、234 mm 砲を四連装砲塔として搭載した重巡洋艦です。かの有名なバーバリーエイプの生息地でもあります。

【巡洋艦論評】T8ドイツ巡洋艦-Admiral Hipper

  • はじめに
    ここに書いてあることはあくまで私個人の主観でしかありません。そこをご承知の上でご参考にしてくださいませ。ちなみに姉妹艦のPrinz Augenとは似て非なる船です。同型艦です。はい。Admiralで調べるとドイツ車が出てきます。ここもちゃんとドイツ…。

  • ドイツ巡洋艦について
    どうも細々と続いているシリーズです。みんなの頭から消えたころに新しく上がります。
    Nurnbergの項で詳しく話しているので詳細は割愛しますがドイツ巡洋艦は以下の特徴を備えています。
    HE貫通力が高くダメージが低い
    APのダメージが高い
    射程が長い
    機動性が悪い

     

    metabbo.hatenablog.com


    これらを踏まえた上で、特にAdmiral Hipperがどういった船なのか辿っていけたらいいかなと思います。

  • Admiral Hipperについて
    さてこの船ですが、前級のYorckとはまた違う味付けで、もちろんNurnbergまでのドイツ巡洋艦とも異なった味付けに仕上がっています。しかし後級のRoonとも違う味付けでツリーの中だと少し異彩を放っている船になっています、個人的にですが。
    という事でいつものごとく、一つずつ性能を紐解いていきながらお話しできたらなと思います。

    • 攻撃面について
      前級のYorckが同格比で優秀な攻撃性能を有していた為、そのままの感覚で行くと少し物足りなさを感じてしまうかもしれません。というのもHEの最大ダメージが2900から2500へと大幅に下がってしまいます。もちろんそれに見合った装填の改良はもちろんあるのですが…Yorckの時点で12sと優秀だったため装填10.5sになってもDPMでYorckに負けてしまう性能になっています。バフされてコレ
      その上でHEの瞬間火力は門数が4基8門と変わらないので下がっています。つまり対駆逐などは苦手になっていますね。
      まあそれでも50mm貫通は健在ですので相手を選ばず火力を吐くことが出来ます。

      とまあこれだとT8の面子がつぶれてしまうのですが、もちろん強化された部分もあります。
      一つ目が砲の取り回し。砲旋回が再び全力転舵に追い付くようになります。何ならかなり早く回る部類になります。
      二つ目がAP弾の強化。ダメージが大きく向上しました(5600→5900)。これにより腹を見せた敵に瞬間的に入るダメージは大きく向上しています
      三つ目が地味ですが弾道特性の統一ですね。Yorckって誤差ではあるのですがHEとAPの弾速が地味に違うんですね。そこが統一されます。エイムがくるわないので地味にうれしい要素ですね。

      こんなところでしょうか。地味にちゃんと強化を受けてるよという塩梅です。Yorckが強いだけとも言います。
      射程は17.7kmで依然として同格でトップクラスの物を誇っています。きちんと最大射程でも当てられる弾速もあるので不満はないでしょう。
      射角も前後共に35度でいたって平均的です。ここもYorckから悪化してるのは秘密

      ここまでをまとめるとまぁ悪くない…?普通?といった感想を受けるかと思いますがその通りだと思います。
      T8巡洋艦の中でもかなり平均的な攻撃性能を有しているんじゃないかなと思います。

    • 防御面について
      さて、ここがAdmiral HipperをAdmiral Hipperたらしめる要素になります。
      Nurnbergの頃には想像もつかないレベルで強化されます。同格随一です。

      まずは艦首艦尾が27mmもあります。この厚みはT11巡洋艦まで含めてもドイツ巡洋艦アメリ重巡洋艦にしか許されていない値になります。これによって得られる恩恵は数多いですが、一番大きいのは15インチのAP弾を跳弾できるようになるところでしょう。大きく生存性が上がります。そしてT8でこの装甲を持っているという点が非常に大きくてまだ同格戦艦に15インチ持ちが腐るほどいます。
      そしてもう一つ比較的大きい恩恵を感じれられるところがT7以下の152mmのHEがIFHEなしで貫通しません。なので相手が取ってないと分かれば死ぬほど強気に出られます。勝ち目無いレベルです。
      残り二つは本当に限定的ですが、IFHE込みで127mmの通常HEが貫通しないのと、FuriousとArk Royalのロケットが貫通しなくなります。英空不遇すぎひんか正直この二つは限定的すぎるので覚えなくてOKです。
      ちなみにペットボトルのキャップの直径が大体27mmです。

      それだけではありません。バイタルを守る外側の装甲の厚みは80mmと据え置きなのですが大きく傾斜がかかるようになった上に、外側に27mmのバルジ、バイタルには40mmのスロープとかなりT8としては堅牢なつくりになっています。もちろんYorckから引き続き水面下のバイタルに収まっています。しかし一長一短で、この80mm部分は遠距離だとまず弾が通らない場所にあります。その為、遠距離からの砲弾は他の巡洋艦よりも入りやすい事は念頭に置いておくべきでしょう。戦艦砲はどうせ入るので気を付けるべきは巡洋艦砲です。

      そして特筆点としてこの船、判定的な問題なんでしょうけど軽巡なんかよりずっと舵が壊れやすいです。推力は普通の重巡くらいの感覚なんですけどね。私の中では最後の抵抗が必須に感じるくらいには壊れやすいです。(同様の船体を扱っているPrinz Augen, Tallin, Mainzすべてに言えることですが)

      そして隠蔽は最良で11.2km、UGを転舵にしても12.4kmと射程に対して大きい余裕があります。どこかの英重巡とは大違い
      良くも悪くもビルドの幅が大きくていい巡洋艦だと思います。

    • その他
      まず消耗品については一般的なT8巡洋艦のラインナップが整っています。「水中聴音」「対空防御放火」の択一スロットに「戦闘機」の2つの消耗品を持っていけます。

      水中聴音に関してはこのTierからドイツ特有の艦艇発見6kmソナーを備えています。しかし後述しますが対空も優れているので難しい選択です。

      対空兵装についてですが、遠距離射程が5.2km、中距離が3.5kmドイツよろしく短射程なのですが、数値はT8巡洋艦としてみれば優秀です。その上で航空隠蔽は5.8kmまで縮むので対空スキルを少しばかりとるのも悪くない船だと思います。

      舵は素で9.2s、スロ5のUG込みでも5.5sなので決して軽くないです。しかし、隠蔽特化してもギリギリ回避が間に合う距離感ではあるので大きく問題があるわけではないと思います。なのでUGは割と好みの範疇かな、と。
      ですが速力は相変わらず伸び悩んでおり32ktしかでません。旋回半径は740mと決して悪くないどころかいい方に分類されますが、速力は曲がる速さにつながるので、旋回半径の割には曲がらなく感じるかもしれません。やっぱりどっかの英重巡に近い…?

  • ビルド・乗り方
    尖っている所が少なく全体的にマイルドな仕上がりになっている巡洋艦の為、何を活かそうとするかで大きくビルドが変わってくると思います。なので自分の中で何を活かして戦うかで決めていくのがよいかと思います。なので少しばかり長くなりますがいろいろな目的別のビルドを紹介できればと思います。

    【ビルド1】
    まずは私が一番気に入っているビルドから紹介します。

    こちらはそつなく誰相手でも相手ができる構成になっているかと思います。

    T8,9戦場であれば敵の種類(相手の得意なレンジ)にもよりますが、基本的に14~16kmあたりをメインの交戦距離に据えておいて、自身の体力と相手の布陣など次第で調整していくと良いかと思います。
    この船はHEスパムをするだけであれば得意レンジは中遠距離になりますが、本質的にダメージで一番貢献しやすい距離は中距離になると思います。遠距離はある程度避けられるというのももちろんですが、持っているHE火力が決して高くないのでダメージレースで勝てないことが頻発します。所謂「ダメージは出てるのに勝てない試合」を量産する感じですね。

    しかしこの船の面倒なところとして、中距離でも結局相手の動きに役割が依存する所だと思います。明確に「これが得意!」というものがこの船にはないんですね。先ほどは本質的には中距離が得意と言いましたが別に至近距離(~6km)での島同士のにらみ合い中距離(12~15km)でのAPを織り交ぜた打ち合い遠距離(15~17km)での相手の役割範囲外からの攻撃や抑制全部平均点以上にこなせるんです。では今抜けた距離である近距離(6~12km)が苦手といえる距離であることには間違いないのですが、ここも結局APが刺せるのであれば明確な苦手になるほどの欠点にはなりません。後ほど具体的な例を挙げてみます。
    ではどこで戦えばいいのか、そういう時に必要になってくるのが「相手の苦手なレンジ」になるわけですね。自分が大きく尖っていないので相手の苦手な部分で戦わせるのが一番となるわけです。明確に強い部分があるYorckやRoon,Hindenburgにおいては特筆すべき特徴であるとは言えない部分に該当するのでAdmiral Hipperでは特に考えるべき、という観点として抑えられるといいと思います。

    例えば…10kmでBaltimoreとお互い少数の戦線で相対してしまった場合。
    多くの人はここで一回距離を取るように動くことが大半だと思います。しかしBaltimore目線でAdmiral Hipperは近づかれると勝てない相手、なんですね。逆に相手が引いていくのであれば好きなタイミングで隠れられる上に今後先手を取れるわけですから戦場での選択権の多くをBaltimoreに渡すことになります。しかもDPMの差から、相手は中距離で撃ち合ったらまず負けません
    こういった事を踏まえると逆に詰めて相手に「ラム覚悟で距離を詰める」または「腹を一回見せて引きの姿勢を整える」「島に隠れてやり過ごす」といった選択肢を押し付けることがよい選択肢になるのではないのかなと思います。
    そこでソナーを活かした島同士のにらみ合いでBaltimoreが出たら魚雷で負けるシーンを作るか、自分からヘルスを使って無理やり落としに行くかは戦況次第ですが相手の得意をつぶす、その感覚が伝われば幸いです。

    という事で長くなりましたがこのビルドはどういった戦局でも仕事がこなせる万能ビルドに仕上げているつもりです。至近距離戦での優位の為に消耗品はソナーを推奨します。
    一応軽く各スキルの選択理由をサラッとおいていければ。

    装填手はあると突然見えた巡洋艦などへの対処が非常に楽になるので大事です。
    敵弾接近は回避の要、最後の抵抗は先述の舵の補助の面ですね。
    爆専は遠距離におけるPush抑制の効率が大きく変わります。
    集中砲火訓練は空母がとにかく来るサイドであった場合、味方との対空を併せてバブルを踏んだら嬉しいな、のアレです。おまけ
    AR隠蔽はもう言わずもがなですね。
    抗堪はヘルスが総合の仕事量につながるこの船においては非常に重要です。
    数的劣勢は劣勢の戦線における速力の補助の側面が大きいです。劣勢で撃たれ続けているときは敵が基本的に見えていますからずっと発動します。なので回避の助けになってくれるでしょう。修理班の無いこの船にとっては避けることは非常に大事なので私は外せずにいます。

    という事で長くなりましたが万能ビルドであればこんな感じかなぁ、と。

    【ビルド2】

    近中距離戦特化ビルドです。10戦も回したら満足したのを覚えています。

    遠距離がそんなに強くないのであれば近中距離で圧倒的優位を作った方がいいですね、ってことで作りました。流石に序盤から突っ込むことはしませんが比較的悪くない隠ぺいを使って結構好きに位置取りして相手を不快にさせることに特化しています爆発力に関しては随一のビルドになりますね。かなり前線まで出ることが多いビルドなのでソナーも魚雷回避に役に立つのですが、空母にみられ続けるのもきついビルドなので好みが出ます。対空防御放火にする場合はUG2を機関部にしましょう。
    ちなみに集中砲火訓練は消耗品強化にしてソナーの時間を伸ばしてもいいです。おすきにどうぞ。

    出るタイミングが非常に重要でそれ以外の仕事は他の巡洋艦に後れを取るような構成になっているのでとにかく一回のチャンスを逃すとそのまま最後まで引きずります。地獄です。一番尖ったピーキーなことで貢献したい人におすすめです。なんか似たビルドをどっかの英重巡でも見たような…?

    【ビルド3】

    遠距離戦にステータスを振ったビルドです。特にT10戦場などにおいては仕事が多くなるかと思います。逆を言えばT8戦場などにおいてはやや強みが活きにくいかと思います

    基本的に取っているスキルも引き撃ちや遠距離戦が有利になる構成に仕上がっています。危険察知を取っていますが、好みで装填手と敵弾接近に分解していいと思います。危険察知にした理由は遠距離においてはどのくらい背負っているのかという情報と「見えてない敵が何隻いるのか」の情報が戦線単位でのPushに役立つことが多いからですね。つまり好みです。

    一般的に雑に乗っていて最低限のスコアがきちんと保証されやすいビルドでもあります。逆に言えば「ダメージ出してるけど勝てない試合」を作りやすく「浮いていただけ」になるときもあるので時には得意レンジを離れることも大事になってくるかと思います。

    スキルを取る順番が
    最後の抵抗→危険察知→抗堪→隠蔽の4つで最低限完結しているので初心者にもお勧めしやすいですね。

    【ビルド4】

    いつもなぜか設けている空母に親を殺された枠です。要ります?

    持ち前の航空隠蔽の良さはぜひ活かしたいので隠蔽UGがおすすめです。そして対空防御放火は余裕で使い切るので管理と消耗品技術者を取っている感じですね。ちなみに5戦で飽きました。もちろん消耗品は対空防御放火です。

    他のT8対空艦に比べて打たれ強い為発見をもらっても構わないという点とオープンで戦いやすい点は特筆点でしょう。しかしそれ以上にこの船はやや後ろ目で戦う巡洋艦です。つまり敵空母が戦艦を殴ろうとしたときに一番邪魔な存在なわけですね。自分も仕事しながら味方を守れるという点がこの船で対空特化を運用する差別化点なのかなと思います。

    なので対戦艦が強く艦載機が脆い加賀などが相手の時が一番真価を発揮できるんじゃないでしょうか。


    とまあこんな感じに尖った点が少ないばかりに何をするのかというのが非常に重要になってくる巡洋艦かなと思います。もちろんこれらをベースに自分なりにアレンジしていただいていいと思います。この4つは自分で試したことがありますが、これ以外にもいろいろ選択肢はあると思いますので。
    ちなみにビルド3,4に関してはPrinz Augenにも流用できると思います。3に関しては集中砲火訓練と危険察知を敵弾接近と管理に分解したほうがいいですが。あちらは火力をさらに落とす代わりに粘り強さがより高くなる感じです。

  • 最後に
    何をするのか選択を続ける船、それがこのAdmiral Hipperだと思います。雑にHEを投げていても仕事ができる上にそれなりに耐えるので初心者にもお勧めしやすいツリーではあるのですが、こういった事を熟考して乗れるのがAdmiral Hipperの楽しさなのかなと思います。是非「相手にとって嫌な選択」を取り続けてみてください。通報が飛んできます。

    (情報は0.11.11.0現在の物を使っております。大きな変更がありましたら適宜変更を加える予定です)