The_best_CA_Gibraltar

ジブラルタルは、234 mm 砲を四連装砲塔として搭載した重巡洋艦です。かの有名なバーバリーエイプの生息地でもあります。

【巡洋艦論評】T8イギリス巡洋艦-Nottingham

  • はじめに

    ここに書いてあることはあくまで私個人の主観でしかありません。そこをご承知の上でご参考にしてくださいませ。守れない人はそのクソデカバイタルに3連装砲ぶつけますよ。

  • Nottinghamについて
    皆さんお久しぶりです。船の解説は7カ月ぶりだそうです。
    皆さんはNottinghamってご存じですか?ひっそり実装されたT8のイギリスの巡洋艦なんですけど。見た目はミニネルソンなかわいい船です。赤ちゃんネルソンです。ですがまあ誰も乗らな過ぎて、おそらくは戦闘で見たことない人が大半でしょう。そんなはぐれメタル的存在であるNottinghamにそれなりの戦闘数搭乗してきたので、比較を交えながら解説していきたいと思います。
    ちなみにNottinghamですが、入手方法がランダムバンドルで手に入るNottinghamトークンを使って入手という方法で、T9プレミアム艦艇を当時買うことができるくらいの値段での入手でした。ダブロンの値上げもあって、仮にプレミアムショップに並んでも今までのT8より割高なので持っている人はWG愛好家ブルジョワかもしれません。

    • 攻撃面について
      NottinghamはT8巡洋艦としては控えめな攻撃性能に仕立てられています。
      203mm3連装砲3基と決してT8としては変ではない武装なのですが…その理由を少しずつ紐解いていきましょう。

      まず同国籍で同じTierのAlbemarleと比較をするべきでしょう。搭載している主砲は同口径かつ同門数で装填時間も13sで同じとかなり近い性能をしています。その為、弾速弾道などは完全に一致するのですが、砲弾のダメージが差別化されています。
      その差はHE弾の性能であり、Nottinghamの砲弾がAlbemarle比でダメージおよび発火率で劣る形になっています。なんで
      ダメージは約15%(3300→2850)も下げられており発火率は2%(17%→15%)下げられております。なんで

      そもそも英重巡は遅めの装填時間を日重巡と並ぶHE火力で補っていたツリーであるため、この差は同格の重巡よりHE火力で劣るという差になってしまっています。なんで

      実際HEDPMで考えるのであれば、Nottinghamより低い同格203mm持ちがTone, Admiral Hipper, Prinz Eugen, Haarlem, Numanciaの5隻しかいません。
      さて、この5隻は何かしら航空機なり貫通力なりAPダメージなり修理班なり空襲なり3連バーストなりとその火力の低さに見合う別の火力における価値を持っています。(少なくともこの中で火力が低くて悩むのはPrinz Eugenくらいかとおもいます)
      そんな中Nottinghamの火力は主砲にほぼ限られ、シンプルな打ち合いが発生するとかなり苦戦を強いられる火力となっています。
      APに関してはAlbemarleと同一となっています。つまり同格の中でもかなり控えめのダメージで装填も長めであるためDPMは低めです。なんで

      ここまでダメージについて話してきましたが、主砲射程はAlbemarleと同じ15.7kmでそこまで悲惨ではなく、主砲射角も気持ち悪い配置の割には前後ともに30度と良好な値となっています。ちなみに2番砲塔は全周です。

      さて、ここまで攻撃面の性能をずらずらと書いてきましたが、最初に述べたように控えめな性能になっています。
      そこを消耗品でカバーしていくというのがNottinghamの魅力と相成るわけですね。

    • 防御面について
      艦首艦尾は高Tier巡洋艦標準の25mm、側面が27mm甲板が30mm若干ですが同格の中では優れた表面装甲を誇っています。誇らしいですね。
      しかも特徴的な主砲配置のおかげか艦首艦尾が大変コンパクトになっています。なのですぐに区画耐久が枯れます。

      さて、優秀な点はこれで終わりです。
      まず特筆すべきは圧倒的に大きいバイタル形状でしょう。皆さんAlbemarleとかのバイタルは戦艦で抜きやすいという印象を持っているでしょうか。それをはるかに上回る全身バイタルっぷりを発揮しているのが、そうNottinghamですね。
      百聞は一見に如かず。以下にNottinghamのバイタルのみを表示した画像を添付します。


      なんでしょう。とても…大きいです…。
      当たり前ですが、煙突下部はむき出しです。

      しかしこうも思った方もいるかもしれません。
      「Albemarleの方が全体が全幅バイタルで脆い!」と。
      それもまた事実かもしれません。しかしこの船は段が高くなっている箇所がかなり後ろよりである点と、謎の傾斜がついているバイタル敵の砲弾を優しくキャッチするそのおむつのようなバイタルが問題点となります。
      後方に寄るということは引きうちの時にもれなく縦から戦艦砲が届く確率がほぼ100%といっても過言ではありません。では前が安全かと言われるとそうでもないのがこのお船。このバイタル形状にお祈りというものは存在しません。バイタルが必然な船になります。
      そして先ほどあたかもメリットかのようにいった艦首艦尾のコンパクトさはバイタルの長さに影響してしまい、驚異の長さとなってしまいました。

      主砲も25mmに囲われた装甲なんてないよスタイルを貫いています。そして驚異の主砲耐久の低さから、かなりの高頻度で主砲が中破します。空母のロケットに壊され駆逐艦のAPに壊されT6巡洋艦にも壊され。そんな主砲です。でも赤ちゃんなので少しの中破は目を瞑ってあげましょう。

      そして、追い打ちをかけるように35300というとても低いヘルスがこの船を襲います。生まれたての赤ちゃんに耐久なんてないよね
      もちろんこれより低い同格はいくらか存在しますが、問題はこの図体でこのヘルスであるということです。Nottinghamよりヘルスが低い船は軒並み小さい船体やコンパクトなバイタル、修理班や驚異的な攻撃性能などそれを補うものがあります。いや、Nottinghamにもそれを補うものは一応あるのですが…

      隠蔽は9.5kmとT8で考えるとやや優れている部類でしょうか。しかし先述の防御性能を加味すると見つかったら死ぬレベルなので慎重な操艦が必要です。

      とまあ防御面は攻撃性能以上に壊滅的であるということが伝わったと思います。本当に壊滅的です。(80戦以上乗った感想がこれ)

    • その他
      さてここまでボロボロに書かれてしまったNottinghamという船ですが、ここからは比較的良いことが続きます。
      まず消耗品は水中聴音と対空防御放火の択一スロットという名の一択スロットと超絶アイデンティティショートバースト煙幕となります。ショートバースト煙幕の個数はデフォルトで5個となっています。
      消耗品の数こそ少ないですが、このショートバースト煙幕を巡洋艦が有しているというのが大きいアイデンティティとなります。現状入手可能な船で他にショートバースト煙幕を保有しているのがDidoとBelfast'43の2隻となります。DidoはTierが大きく異なるため、比較する対象にするには少々難がありますし、Belfast'43は軽巡であるため火力の有効性や役割対象が少し異なります。

      そういった意味でもオンリーワンな性能を有している船に仕上がっています。大事になってくるのは通常の煙幕持ちとの差別化になってきますね。

      対空兵装に関してですが、そんなものはありません。
      T6だとしてもかなり低い対空値です。駆逐よりひどいものです。
      その中身は「長距離」対空射程4km、爆発1発、継続ダメージ39
      まだ中距離と短距離が残っていますね。
      中距離対空射程2.5km。ここで皆さんが大好きな日本巡洋艦の短距離対空射程が2.5kmであることを思い出してください。機能しないということですね。せめて値だけでも、と思いますが継続130とかなり微妙です。
      もしかしたら短距離が中距離より射程が長いかも…という幻想は射程1.5kmで打ち砕かれます。
      さてひどい話ですが、追い打ちがさらに。爆発の出る範囲は3.5-4.0kmの間だけです。つまり頼みの綱ですらほとんど機能しません。
      ちなみに航空隠蔽は最良6.2km。なぜか同格の中でも悪めです。
      これの意味するところは戦闘機なんて全く落ちないし、Saipanの雷撃機が1機も落ちずにフルで往復されるような対空しかないということですね。雷撃機は基本落ちないものと思うべきです。しかもかなり遠くから発見される。そんなに3本煙突が目立っているのでしょうか。
      気持ちは常にT5くらいの対空で戦っている感じです。もちろんT10空母とマッチングします。なんで

      そしてSuper Extreme Subarashii魚雷を携えています。片舷8射線という魚雷の本数は圧巻です。射程は8kmです。つまりあまり使い道はありません。ですが、ショートバーストのおかげで全くないわけではないのでそれはまた口述ということで。

      副砲は単装4基が両舷に。おまけですね。

      ショートバースト以外残念な形になってしまいましたが、このショートバーストですべてを覆せるでしょうか。

  • ビルド・乗り方
    さてまずこの船ですが、ショートバーストをうまく活用しないと本当にただの的です。そんなショートバーストですが、使い方が「局所的な火力」「一時的な視界切り」がメインになってくるかと思います。

    しかし「不意な遭遇に対してショートバーストを使う」は全く意味がありません。たしかに自身は一時的に生き残れるかもしれませんが、ただ生き残れただけになってしまいます。ほかの巡洋艦なら死んでた!にはならないわけですね。ハナから遭遇する距離に行かなくてもいいので。

    ではどう言ったシーンで有効になるのか。ほかの巡洋艦だとリスクが高すぎる進路を低いリソースでとることができるのがこのNottinghamのオンリーワンな点になります。通常の煙幕持ち巡洋艦だと煙幕を1個消費するのが重い消費になってしまうんですね。そして重巡であるため、巡洋艦に対しての瞬間火力は十二分にあります。つまり本来であればリスクが高すぎる進路を進み、敵の巡洋艦の横を取ることができる、という点がNottinghamの一番の魅力でしょう。

    また、自分の任意のタイミングで視界を切れるということは敵駆逐に圧力を掛けるだけ掛けて、勝手に隠れるといった芸当も可能です。腐っても巡洋艦なので駆逐艦が1on1で勝てる道理はありません。

    さらに、CAP内への居座り性能の高さもショートバーストで実現しています。本来巡洋艦がCAP内に留まるのはかなり危険な行為ですが、居座る価値があるのであれば低リスクで居座ることができるのがNottinghamの個性といえるでしょう。

    その上で煙幕を使用して、敵に対して「煙幕に対して詰めるか」「引くか」の選択肢を押し付けられる点も魅力です。もちろん煙幕を背に逃げることも可能ですし、あえて居座って近づく敵に対して魚雷をお見舞いすることも可能です。その際に8本という本数は非常に強力な武器になります。イギリスなので単射もできます。
    相手は押さないと勝てないというシーンでダメ押しとしては十分すぎる性能を持っていますね。

    しかしこれらの進路取りは繊細な射線管理と敵の位置の把握があって初めて成り立つものになります。その為、防御性能の低さも相まって操艦難易度はかなり高い部類になると考えています。

    そんなNottinghamで試したビルドを何例かご紹介します。

    まずUGですがすべてのビルドにおいて私は共通の以下の構成にいたしました。ソナー改良のみ別に他の物でも構いませんが、私は敵駆逐艦を5km圏内に捉えることが多かったためソナー改良を付けていました。

     

    【ビルド1】
    まずは私が最終的に採用したビルドから紹介します。

    おそらく見慣れないスキルは重徹甲弾くらいかと思います。必須スキルは敵弾接近・最後の抵抗・抗堪専門家・隠蔽くらいでしょうか。
    先ほどの理論でいくならこのビルドは巡洋艦に重きを置いています。基本的に味方から孤立する形にはなりますが、敵の巡洋艦に対してかなり強烈なクロスを形成して、APを敵巡洋艦に刺すといった形になります。
    基本的に同格巡洋艦は修理班を持っていないケースが大半なので、削った分だけ有利に傾きます。強烈なクロスを組める場所というものは強烈なクロスを組まれる場所であることが多いですが、そのデメリットをショートバーストでチャラにする感覚でしょうか。
    そのショートバースト1回で削る量を少しでも多くするための徹甲弾と把握していただければ幸いです。

    2ptスキルに関してですが、爆発物専門家消耗品強化危険察知の選択でよいと思います。
    消耗品強化を私が優先したのは先述のソナー時間が欲しいシーンが多いという点と煙幕の展開時間が伸びることで展開回数が多くなるというメリットを重視した結果です。

    【ビルド2】

    おそらく多くの人に馴染むビルドであると思います。
    無線探知で敵駆逐の進路をおおよそ把握し、自身の安全な前進につなげます
    AP火力がトレードオフですが、対駆逐戦闘においては有利に働くため一長一短です。
    しかし装填手が取れないため、弾種の切り替えは難しいところになります。一応管理を外して装填手と2ptに分解するのも手ですが、その場合は煙幕の個数に悩まされることになります。その為ARを切るのも一つの手ではあります。

    【ビルド3】

    まだ戦闘の流れの方針を固めていなかったときに試したビルドになります。
    外周巡洋艦としてかなり外まで行っても煙幕のおかげでリスクをカットできるという点が他の巡洋艦にはないメリットであったと思います。
    その為数的劣勢が発動するような距離まで詰めてもある程度問題がなく、火力を吐くことができます。しかし煙幕を使うと視界が切れてしまって発動しなくなる、といったケースも多々あったため、相性はそこそこといったところです。しかし射程が長くないので発動機会は多かったです。
    Nottinghamでもダメージを出したいという方はシンプルな外周巡洋艦として運用するのが丸いと思いますが、そういった方にはお勧めできるビルドになっています。消耗品強化は爆発物専門家にした方がよりダメージは伸びると思います。

    この船の敵は戦艦の射線と空母艦載機です。空母艦載機は間接的な死因になりますし、戦艦の射線はこめかみに銃口を突き付けられているようなものです。とにかくこの2点はケアを怠らないようにしましょう。

  • 最後に
    低い基本性能をショートバースト煙幕ですべて補っている船、それがNottinghamだと思います。通常煙幕と異なり、気軽に使えてかなり独特な進路取りができるさまは本当にオンリーワンだと思います。皆さんもたくさん乗って私の最高撃墜数を更新してほしい、そんな船です。
    Belfast'43にはなかった有効な火力を得たショートバーストの力を見せつけてやりましょう。煙幕が保護者の赤ちゃんなのでは
    まあまず現在入手手段が存在しないレアシップなんですけどね。

    (情報は12.7.0.0現在の物を使っております。大きな変更がありましたら適宜変更を加える予定です)